幼き日の記憶2

以前、同タイトル1で街角に軍人さんが座っていた話を書いた。

 

今回も同時期(10歳未満)の話である。場所は奈良ドリームランドだったと思う。

 

ドリームランドにどんな設備があったか、どんな遊びをしたか残念ながら記憶は薄れている。ただ、はっきり覚えているのはアイヌの方が熊の木彫りを作っている姿だ。

 

それはよく観光地で見かける、饅頭や鯛焼きの実演販売などとは全然違うものだった。

 

先ず、彼はガラス越しの部屋に入れられていた。深い皴と白い立派な髭に覆われたその顔はまるでギリシアの哲人を想起させた。無言で黙々とノミを振るう姿からは感情の動きは感じられなかった。と言うより、すべての感情を押し殺しているように見えた。

 

いや、難しい綺麗ごとの言葉を並べて嘘をつくのはやめよう。はっきり言う。

私は正直こう感じた。「これはまるで動物園と同じ扱いではないか!」

 

当時の大人たちはこんな展示に何の疑問も持たなかったのだろうか。

だからと言って今の日本人の方があらゆる面において進歩しているとも到底思えない。

 

うーん。難しい。