嬉しいような、嬉しくないような

ジスカールデスタン、何とも懐かしい名前だ。何代前のフランス大統領になるのか。まだ生きていたのか!というのが正直な感想だったが、なんと外国人女性記者への猥褻行為で捜査とのこと。御年94歳での所業だ。

 

この行為を非難するのは簡単だ。しかし、男ならその一方で「羨ましい」という気持ちを抱くのも正直なところではなかろうか。少なくとも私はそうだ。病院や施設に入っているご老人が若い女性の看護師さんが来た途端、元気を取り戻すとはよく聞く話だ。

 

 

今は珍しくないが、母親はかなり早くからゴルフをしていた。その関係の知り合いにベテラン、叩き上げの刑事さんが居て私も何かと話したり、食事をする機会があった。

 

ある日、その刑事さんに言われた。「○君(私)は絶対に悪いことをしそうにない人間やなあ。」

 

これが「お前は絶対に悪いことをしそうな人間やな。」と言われていたらどうだろう。腹が立つに違いない。ところが男たるもの、悪いことをしないと言われても素直に嬉しくないのだ。悪いこともしない代わりに大きなことも出来ないと言われてるような…。この気持ち、分かってもらえるだろうか?

 

だから私は反論した。「いや、分かりませんよ。よく犯人が捕まった後にあんな真面目な人がとか、あんなおとなしい人がってよく聞くじゃないですか。」

 

この反論に対して、「いや、絶対に出来ん。」余りに強く断言されたので笑うしかなかった。

 

ベテラン刑事の勘なのだろう。確かに私はその後も何の悪事もせずに(強いて言えば立ちション位?)、今日に至っている。これから先も何の悪いことも、大きなこともしないまま生涯を終えるのだろうか?

 

この悩みを贅沢と言ったら贅沢だろうか?