私が時代劇を好きなのはチャンバラが好きな訳でも歴史が好きな訳でもない。簡単に言えば人情話が好きなのだ。ホロリとさせられて、人生の勉強にもなって。
そう、昔の吉本新喜劇が正にそうだった。私の言う昔とは亡き、花紀京さんや岡八郎さんがメインを張っていた時代。小学生だった私は大いに笑わせてもらい、大いに学ばせてもらった。
好きずきはあろうが、その頃の新喜劇に比べて今の新喜劇は面白くないし、勉強になることもほとんどない。小藪さんは言うまでもなく新喜劇の座長だが新喜劇の小藪さんはあまり面白くない。本人も完全燃焼出来ていないように見える。余計なお世話だが。
今回、小藪さんを取り上げたのはどの番組か忘れたが、こんなことを絶叫していたシーンが印象的だったからだ。曰く、
「夢は叶うなんて、嘘や!」
「努力は裏切らないなんて、嘘や!」
「君にもできるなんて、嘘や!」
他にも似たような事を言った人が居るかも知れない。でも、ここまで正面切って誰しもが思っている本音を言ってくれたのは小藪さんが初めてだ。
そう、皆本音では分かっているのだ。どれだけ努力しても出来ることなど所詮知れていることを。それを知りながら平気で上記のような言葉を子供や教え子に刷り込もうとする大人たちには本当に腹が立つ。
もっと困るのは誰が見ても、成功して功成り名遂げた人がこのような言葉を使うことだ。そりゃあんたは出来たでしょうよ。凡人はため息をつくのみ・・・。
松下幸之助氏も「成功の秘訣は成功するまで諦めないこと。」と仰っていた。
大変、恐縮ではありますがそのお言葉、承服いたしかねます。