松下電器で最初に配属されたのがステレオ事業部の業務課という部署で全国の販売会社からの注文を受注する仕事だった。今なら当然オンラインで行っているだろうが当時は電話一本で百万円以上する高級コンボから何十種類もあるレコードの交換針まで全部紙に書いていた。若かったとは言え、よくあれだけの品番を覚えられたものだと我ながら感心する。
その仕事の中でそれこそ北は北海道から南は沖縄まで全国の方とお話しする機会を持てたのだが、一番県民性がいいと感じたのが福島と熊本だ。勿論、どの県も実際に話したのは数人なので、それで何が分かるという異論もあるだろうが、分かる者には分かるとしか言いようがない。
よりにもよってその2つの県に大自然は何と無慈悲なことをするのだろうか。前者は言うまでもなく地震と原発事故、後者は4年前の地震と今回の豪雨災害だ。
「禍福は糾える縄の如し」私はこの言葉が好きで、実際その通りだと思ってきたが、現実は必ずしもそうではなさそうだ。
当地は幸い川が氾濫するようなことはなかったが、大型台風が3、4日居座っているような雨風だった。ここ数年の雨の振り方は明らかにおかしい。
先日、昭和組対平成組のテレビ番組で昭和組のメンバーの「昔は真夏でも30度を越えることは滅多になかったし、夕立が一雨降ればヒンヤリしたものだ。」という話を聞いて、確かにそうだったと懐かしく思い出した。
私は今、築45年位の親が建てた家に住んでいるが元からエアコン用に穴の開けてあった部屋はひとつもない。このことからも当時の気候が忍ばれる。
25度で夏日、30度で真夏日。その上の猛暑日(35度)という言葉に接したのは何年前だろう。近々40度以上の言葉もきっと生まれるだろう。雨もそうだ。線状降水帯って、そんな言葉聞いたこともなかったぞ。
身内や知り合いと「最近は春と秋が無くなって夏か冬のどちらかですね。」という会話をするようになって久しいが、このまま年月が経つとどんな天候になるのだろうか。