人には馬鹿にされていろ

先日見たテレビ番組でタモリさんと若手芸人が共演していた。その中で気になったのは若手芸人のタモリさんに対する随分とぞんざいな口の効き方である。たけしさんにならきっとこんな口の効き方はしないに違いない。

 

亡くなった大橋巨泉さんがあるインタビューで話していた。「俺はいつもたけしに言ってるんだ。タモリはお前の10倍凄い。萩本欽一はお前の100倍凄い。」

 

萩本欽一さんのことは惜いておくとして、芸も芸歴も上のタモリさんの方が若手からぞんざいな扱いを受けている、(同様に西川きよしさんも随分な扱われようだ。歴史の証言者として言っておく。漫才コンビとしてのやすしきよしとツービートでは人気も実力も横綱と小結以上の差があった。)

 

たけしさんはいついかなる時もボディガードまがいの付け人を数人侍らせ他者を容易に近づけないようにしているとか。知らんけど。

 

私の尊敬する戦前の大横綱双葉山は絶対に待ったをしないというので1回目のしきりで突っ掛けた力士が居た。双葉山はいつもの如く受けて立ち難なく上手投げで屠ったという。同じことを戦後を代表する横綱大鵬もされたことがあり、大鵬はびっくりして待ったをし、2回目以降はいつでも受けてやるとの闘志が前面に出過ぎて、相手が慄いてしまい結局時間一杯まで立てなかったとか。この場面を目撃した某相撲愛好家はまだまだ双葉山大鵬の差は大きいと思ったという。

 

ある程度の地位を築けば周りに威圧感を与え、距離を保たせることは可能だろう。しかし、それで本当に人心も付いているかは全くの別問題だと思う。

 

因みに、標題は拙宅に掲げている「親父の小言」の一節である。