酷暑

私より若い40-50代の者までが「昔の夏はこんなに暑くなかった。せいぜい上がって30度位だった。」などと言っている。彼らの記憶力がいいのか、私のそれが悪いのか暑くない夏の記憶はほとんどない。娘ふたりが祖父母に北海道に連れてもらったのは20年以上前の夏だったか、その頃住んでいた滋賀県のマンションに「寒いよ〜。」と電話が掛かって来た時は軽い殺意を覚えたものだ。

 

ただ今と違って、昔は冷夏というのが確かに存在した。確かエルニーニョ現象がどうたらこうたらと言っていた記憶があるが最近エルニーニョ君はどうしているのだろう。私がよく覚えている冷夏は昭和57年(1982年)。何を隠そう私が松下電器に入社した年。新入社員全員販売実習の名の元、全国のナショナルショップに応援に行くのだが冷夏のお陰でエアコンがさっぱり売れず、随分と楽をさせてもらった。

 

昔のことなどどうでもいい。今日はまた全国各地で今年の最高気温になるそうでニュースでは、「用のない方はなるべく外出を控えて下さい。」と言っている。確かにこんなセリフ昔は言ってなかった。理由が暑さと分かっているから、抵抗なく聞いているが、考えれば怖いセリフだ。これがX国のミサイルが飛んで来るかも知れませんので外に出ないで下さい、とか隕石が落ちて来るかも知れませんので外に出ないで下さい、だったらどんな用があっても外に出ないだろう。こんな時は会社や学校は有休扱いにしてくれるのだろうか。

 

そう言えば私が小学生の頃、よく「ただいま光化学スモッグ注意報が発令されました。校庭にいる方は校舎に入って下さい。」のアナウンスをよく聞いた。真面目に校舎に入る者はごく僅か(皆無)で皆そのまま外に居たが、それで具合が悪くなったという話は聞いたことはない。第一、光化学スモッグって何か皆知らなかったと思う。私は今でも知らない。