困った性分

人生の3分の1は寝ていると知ったのは子供の頃に読んだ本だ。1日平均8時間寝るからという単純計算だか8時間も寝るのは育ち盛りの時期までで、60代になると平均5-6時間まで短くなるそうで、今の私もそれに近い。

 

思い出したのだが父親は晩年、特に身体の具合が悪い訳でもないのに昼間から寝ていることが多かった。私もああなるのだろうか。何となく嫌だ。

 

睡眠時間が短くなるに反比例して伸びているのが、買い物で迷っている時間だ。買い物と言っても高価な買い物ではない。いや、私の場合むしろ高価な買い物ほど決心が早い。2016年以降私は子供に買い与えた分も含めて車を3台買っているが、買おうと思い始めて契約するまでに2週間以上かかったことは一度もない。何れも故障やどうしても直ぐ買う必要があった訳ではないのに、である。

 

こんな私であるがスーパーでの食品や中古本、CDなど百円以下の単位の買い物になると途端に事情が変わる。今日もそうだった。古本屋に赴いたのはLINEで¥200引きのクーポンが来ていたから(大の男の行動動機としては余りに情けない)。

 

結論。本屋に入って出て来るまで約2時間。買ったのは¥290のCD2枚のみ。この間の心の葛藤について事細かに書こうと、実際書き始めたがそれだけで一編の大河小説が書けそうなので、これは将来本格的に作家を心指すときに備えて取っておく。

 

自身の人間の小ささで買わないだけならいい。困るのは「買っておけばよかった」の思いを妻や子供にぶつけてしまうことで近くの店ならもう一度行けば済むが、大阪の店だったりすると「近々行く予定ない?」とか「電車代出すから行ってよ。」と本末転倒もいいところだった。これに関してだけはコロナに感謝しなければならない。

 

ある時、次女がこの言葉を教えてくれた。

「買う理由が値段だったら買うな。買わない理由が値段だったら買え。」

胸にズキンと響いた。二日酔いで出社した時、上司から言われた「酒は飲んでも飲まれるな。」よりは少なくとも響いた。

 

こんなことを言ってるようではまだまだ私の迷い癖は治らない。