カマドウカ

巨人、日本シリーズで4連敗。何故か嬉しい。野球やサッカーには一切興味がないと書いたが、巨人に対しては権力、中央の象徴のような反感があるのだろう。昔、巨人ファンは水戸黄門が好きで、阪神ファンは必殺仕事人が好きだと言われて私もなるほど、その通りと得心していたが、今の私は水戸黄門の方が好きだ。必殺仕事人も見たが昔ほど面白いと思えない。私の中で何か変わったのか、それとも阪神が変わったのか。

 

今日の毎日新聞の五箇公一さんの連載コラムでカマドウカを取り上げていた。

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カマドウカ!40年以上ぶりに聞く名前だ。でもその姿、形はすぐ脳裏によみがえった。コラムには写真も載っていたが、見るまでもない。小、中学生の頃家の中で一番普通に居た虫だ。と言ってもゴキブリやハエ、蚊のように室内にはけして入ってこない。玄関の電灯を点けるとささっと下駄箱の下に逃げ込んでじっとこちらの様子を伺う、実に可愛い奴だった。(五箇さんはその動きの速さがとても怖かったらしいが。)

 

コラムでも触れているがカマドウカを見かけなくなって何十年経つだろう。

 

カマドウカだけではない、気が付けばかなりの種類の虫が身の回りから居なくなっている。私の育った町は昔から中途半端に開けた場所で林や広っぱもなかったので子供の頃からそうたくさんの昆虫が身近に居た訳ではない。カブトムシやクワガタは図鑑かペットショップで見るものだった。その点では現代っ子と変わらない。

 

でもチョウが居た。トンボが居た。夏に窓を開けているとコガネムシや色々な虫が電灯めがけて飛んできた。家族の中で私はそれらを退治する係だった。そしていつの間にか彼らは来なくなった。

 

今、家で見かけるのは先に書いたゴキブリ、ハエ、蚊のみ。言うまでもなく即刻駆除の対象だ。しかし彼らもいつかその姿を見なくなる日が来るのだろうか。その時、我々は何を思うのだろう。