ジョン・レノン

昨日(12/8)はジョン・レノンが暗殺された日だった。1940年生まれだから享年40歳、没後40年。今生きていても何の不思議もない。

 

私は既に二十歳を過ぎていたから当時のことはハッキリ覚えている。暗殺という手口はショッキングだったが亡くなったこと自体はそれ程痛恨事には思わなかった。理由として

 

①何年か前にエルヴィス・プレスリーが同じく42歳という若死にをしており、カリスマ性のある音楽家の宿命めいたこととしての予感があったこと。

②相方(?)のポール・マッカートニーに比べ少なくとも日本でのヒット曲が少なく、純粋な音楽的損失はあまりないように思えたこと。

などが挙げられる。

 

40歳という若さで、しかも銃殺という死に方は本人や家族には大いなる悲劇としか言いようがなかろうが、アーティスト、ジョン・レノンとしてはむしろ良かったのではなかろうかという気もする。

 

古くはジェームス・ディーン、日本では赤木圭一郎など事故で若い生命を散らした者の多くは「今生きていれば」と伝説的に語られる。この二人のことはよく知らないが、ジョン・レノンに関する限りこれ以上に命永らえても余り音楽界に資することはなかったのではないか、ファンの方には申し訳ないがそんな気がする。アラン・ドロンがそのいい例でほぼデビュー作に近い「太陽がいっぱい」がいつまでも代表作のように語られるのは本人もさぞや嫌だったに違いない。ジョン・レノンも「イマジン」以上の曲を生み出せたであろうか。

 

私は経験がないので知ったかぶりの事は言えないが、人生相談などで時折見かける「昔の恋人に会いたい」など、正に好きだった人の若き日の美しい姿形が脳裏から離れないからだろう。

 

私の愛好するクラシック音楽の世界にそんな人物はいるだろうか?指揮者ではケルテスやフリッチャイチェリストのデュプレ。イマイチピンと来ない。

 

一人いた!ピアニストのリパッティだ。

英EMIの大プロデューサー、ウォルター・レッグは一緒に仕事をした音楽家で誰が印象に残っているか聞かれたとき言下にリパッテイと答え、そっと涙を拭ったという。彼はフルトヴェングラーカラヤンとも組んでいるのだが。

 

勿論、亡くなった人の皆が皆、記憶が美化される訳ではない。人によっては恨みが益々深まるばかりの場合もあろう。私はどちらに属するのだろう。