年賀状の効用

それにしても寒い。厳密には今日が初雪ではないそうだが、今日の雪は少し強めの雨くらいの音がして思わず外を見た。昔に比べ夏は暑くなっている。これは間違いない。では冬はどうだろう。友人の一人は子供の頃は朝、水溜まりやバケツの水が凍っていた。今はそんなことはないから昔の方が寒かった筈だと言う。確かにそうだが今の寒さのほうが身に沁みる。これも歳のせいか。

 

先般の旅行の帰り、新大阪駅で立ち寄ったラーメン屋でもらったクーポンを使う為に少し離れた同チェーン店に行った。200円程度の値引きの為にわざわざ赴く。店からしたら「飛んで火に入る夏の虫」そのものだ。

 

ラーメン店など一人で行けばいいものを、そこは当地には「紀州名物連れションベン」という言葉があるくらい、小用ひとつも仲間を誘うのがしきたり。

 

誘ったのは高校時代からの友人。LINEで都合を聞くと「明日行ける」と嬉しい即答。こんな時、暇な奴に限って「ちょっとスケジュールを確認する。」などと勿体つける。余り友人にはなりたくないタイプだ。

 

吉永小百合さんにデートに誘われてスケジュールを確認する奴がいるか?例えが古い?それなら北川景子ならどうだ。いや、そういう話ではない。

 

高校時代からの友人と書いたが1年生の時に同じクラスになったのみ。大学も就職先も違う。大学は彼が郷里を離れ、就職後は逆に私が離れた。

小学生の頃、親たちが話していたのを聞いたことがある。「子供ってどれだけ仲良しでもクラスが変わればパタッと遊ばなくなる。不思議。」確かにそんな傾向はあった。あれだけ一緒に遊んだ友達もクラスが変われば偶に校内ですれ違っても知らぬ振り。そんな経験、誰でもあるのでは。

 

それなら彼とは高2以降、交遊がなくなっていても何の不思議もない。実際、彼以外の高1時の友人は高2以降全くの没交渉だ。

 

不思議なもので彼のような友人がどの時代にもいる。呑み友達のM君は中3時に同じクラスになったのみだし、今年2回一緒に旅行に行ったHさんは退社後、転職であちこち往来していたので数年間会ってすらいなかった。

 

長く友人関係が続く要因の第一は勿論(本能的に)気が合うこと。私の場合、厚かましい奴、馴れ馴れしい奴、スポーツ(プロレス除く)の好きな奴とは絶対に友達になれない。

 

それに続く第2の要因として年賀状のお陰もあるのではないか。前にも書いたが私は年賀状リストラ主義者で、出したのに来なかった相手は勿論、元旦に届かなかった相手、届いているが上記のようないけ好かない相手、どんどん減らして今は30数枚で落ち着いている。同年代の平均枚数に比べてかなり少ないのではないか。

 

メールやLINEでも連絡は出来る。しかし、住所や家族の状況(慶弔)、一年間の出来事などを書面でエッセンシャルに伝えてくれる年賀状の価値は大きい。

 

旧くの友人で久しぶりに交遊が再開したのは年賀状の「また会いたいね」などの文章から連絡を取り合ってのパターンが多かったように思う。

 

まだまだ年賀状の効用大である。