一流企業には一流人材がいる?

昇格試験云々の話で少し触れた人事出身の課長、ある時のリーダー研修でこんな話をしてくれた。

「もし、お前らが会社を興して人を集めても今お前らの下に居るような顔ぶれは絶対に集まらない。やはり"松下"という大看板があるからこそ応募してくる人材のレベルも高い。その人材を使いこなせないのなら、それはお前らの指導力不足ということだ。」

 

こんな話を持ち出したのは、我々が日常接する機会の多い金融機関でも同様の経験をすることがあるからだ。

 

少しまとまった金額を引き出そうとした時、都市銀行など大手の銀行なら滞りなくすぐやってくれるが小規模な銀行だと10分以上待たされることがある。それほど客も居らず忙しそうにも見えないのに、である。

 

待たされるだけならまだ良い。私の知り合いなど相続の時「その手続きをするにはご兄弟にも窓口に来て頂く必要があります。」と言われ遠隔地に住む兄弟を呼び寄せた。すると翌日電話が掛かってきて「やはりご兄弟に来て頂く必要はなくなりました。」と言われたそうだ。こうなると単なる誤りでは済まない。

 

アナウンサーの世界でも①キー局、②準キー局、③地方局といったランク付けがあるように銀行も①都市銀行、②大手地方銀行、③地方銀行のランクがあり、一般に①~③の順に金融知識も豊富で接遇態度にもソツがない。

 

私が入った頃の松下電器も大学生就職人気ランキングで理系が3-4位、文系でも6-7位くらいだったから堂々たるキー局であり都市銀行だった。(私がそれに相応しい人材だったかはさておき。)

 

だが、私のように少しでも投資をしている者からすれば一番良い銀行は儲けさせてくれる銀行であることは間違いなく、その点ではXX銀行(地方銀行)が抜群に良かった。担当者も良かったのだろう。この人に勧められた商品はほとんど失敗がなかった。

 

私たちが結婚した30年くらい前、女性側が準備する家電製品と言えば西日本なら松下、東日本なら東芝という時代でシャープやNECだと安物買いのように見られた。

 

今は時代も変わり、消費者の目線もメーカー本位から商品本位に移った。現に松下も東芝も家電が事業の柱であった時代はとうの昔に終わっている。

 

XX銀行の方は残念ながら合併で名前が変わる前に退職した。どちらかと言えば吸収される側だったので何かと嫌気のさすようなことがあったのかもしれない。

 

金融機関も電機メーカーも厳しい時代になったものだ。