酒呑みイコール辛口、甘いもの嫌いと思われている向きも多いが、私はけして甘いもの嫌いではない。チョコやアイスは大好きだし、プリンやケーキを食べたくなる時ある。量はほんの少しで良いが。
大学生時代、何件か家庭教師をしていた中でいつも紅茶とショートケーキを出してくれる家があった。今思い出せばバタークリームだったのだろう、段々クリームを食べているというよりバターを食べているように感じ、正直ひとつ食べきるのが辛かったことを覚えている。
一方甘いもの大好きの妻が特に好きな菓子がアルフォートで先日もプレゼントして大層喜ばれた。ふと、袋のメーカーを見るとブルボン、言うまでもない菓子業界の超一流メーカーだ。
実は私とブルボンとは浅からぬ因縁がある。40年前、就職先を考えるに当たり、趣味のオーディオメーカーか食品メーカーを考えた。食品は人間の生活と切っても切れない、廃れることはないだろうと考えたからだ。オンキョーの話は前に書いたが、ブルボンの就職面接も受けている。大阪で説明会をするという会社側からのお誘いがあったのだと思う。
当時の社名はブルボンではなく、北日本食品だった。面接でこんな質問をしたことを覚えているので大阪には2回行ったのだろう。「前の説明会で将来的に総合食品メーカーを目指しているので社名をブルボンにしないと伺いました。具体的なビジョンを教えて下さい。」ビジョンなんて粋な言葉を使ったかは定かでないが。
その質問に対し「確かにそういう考えは持っています。でも、日本人は甘いものが好きなんですよねえ。(笑)」大変誠実で正直な印象を受けた。
つまりブルボンは40年前、これからスイーツの需要はまだまだ増えると読んでいた。一方、世間の事など何も知らない二十歳すぎの私はお菓子だけでは将来危ないぞと勝手に想像していた。結果、ブルボンの考えが正解だったのは言うまでもない。先見の明の差であろう。
その場だったか、その夜だったか「今度本社の重役面接に来ないか」というお誘いを頂いた。本社は今でもそうだが新潟県柏崎市。結局行かなかったが行っていれば多分採用されていただろう。
もし、ブルボンに就職していたらどうなっていただろう。慣れない雪道で事故を起こしていただろうか。北朝鮮の拉致被害者、蓮池薫さんは恋人と海岸で居るところを拉致された。場所は正にここ、柏崎市。ひょっとすると?
まあ、カップルになること自体が考えられないから、そんな状況は考えられないか。