モダンタイムス

先日からNHKのBSでチャップリンの作品が放送されている。今日は3週目、1936年作品「モダンタイムス」。1970年代ビバ・チャップリンの名の元始まったリバイバル上映の第1回目に選ばれた作品で、私が映画館で初めて見たチャップリン作品でもある。

 

この作品に関しては一般に「機械文明への風刺を込めた」とか「この時代に来たるべきオートメーションの時代を予言していたのは凄い」などと評される。確かにコンベアの流れ作業のあまりの過酷さに気が触れるシーンや自動食事器で機械にノックアウトされるシーンはそれこそ「腹がよじれる」程笑わせてもらった。

 

チャップリンの映画は老若男女誰が見ても笑え、永遠に古くならないと言われてきた。確かに上記のオートメーションのシーンなど20世紀を軽く飛び越え、現代の我々にも突き刺さるテーマだ。しかし、その面白さもこれからの若者、AIが人間の代わりに作業をすることが当たり前の時代に育つであろう彼らに理解されるであろうか。

 

 

本稿は元々、「チャップリンとてさすがにここまでの機械文明の進歩は予測出来なかった」との趣旨で書くつもりだったが、よく考えれば違う。最近までの我々はまだ、機械に逆に使われていることへの危機感があった。

 

現代の人間はどうだろう。もはや機械に使われているという感覚、実感すら無くしてしまっているのではなかろうか。1日中寝る間もスマホを手放せない若者、休日もゲーム三昧で口も効かない夫婦が増えているという。

 

今こそ、チャップリンの予言が現実のものになりつつある。