出来てしまったことは・・・②

私が松下電器に居たときの思い出話。30年近く前、まだパソコンが職場に行き亘る以前、ワープロが流行した時期があつた。

 

当時の規則で10万円以上するものの購入には事業部長の決裁が必要で私も決裁印を貰いに行ったことがある。各職場からも多数来ていたのだろう、事業部長がこんなことを話されたことを覚えている。

「なんかワープロが増える度に残業も増えているような気がするなあ。」

事業部長ともあろう方が私ごときチンピラに、というよりチンピラだからこそ思わず本音を口走られたのたろう。そしてこの事がそっくりそのまま今のビジネスシーンのみならず、世間一般がそうなつている。

 

電話、フアツクス、電子メール、パソコン、スマホ…本来人間の仕事を助け楽にする筈べきものが増える度、却って労働時間が増えていることは多くの人が指摘している通りだ。

 

仕事だけではない。日常の買い物も通販で1円でも安い店を探し出し買うことが当たり前になっているが、その手間だけでも馬鹿にならない。例えばビール一つ買うにしても昔は電話一本で酒屋に配達してもらうのが当たり前だった。銘柄なんか指定もしないし、聞かれもしない。電気製品も馴染みの店で買うのが当たり前だった。店の人も心得たもので冷蔵庫にしても、炊飯器にしても○さんの家ならこんな大きさと勝手に決めてくれた。何しろ各家庭の家族構成、間取り、みんな頭に入っていた。

 

今は家に居ながらどんな物でも最安店を簡単に見つけることが出来るが、その探す過程のデータが全部販売サイトに吸い上げられ、「○さんへのお勧め」とか「ポイント○倍セール中」などの誘い文句に踊らされ不要な物まで買ってしまっていないだろうか。その挙げ句がヤフオクやメルカリ。

 

当人は「賢い消費者」と思っているかもしれないが一番得をしているのは売っても買っても儲けが入る親元だということを忘れてはならない。

 

本来言いたいことは③へ。