妻に求める条件

三島由紀夫氏は結婚相手に求める条件として次のようなことを書いている。

「文学なんかにはちっとも興味を持たず、家事が好きで、両親を大切に思ってくれる素直でやさしい女らしい人、ハイヒールをはいても僕より背が低く、僕の好みの丸顔で可愛らしいお嬢さん。僕の仕事に決して立ち入ることなしに、家庭をキチンとして、そのことで間接に僕を支えてくれる人。」

 

いっぱい条件を並べて!と反感を買う向きもあるかも知れない。私が一番に感じるのはこれだけ分かりやすい、小学生でも書けそうな簡単な言葉を用いながら少しも稚拙さを感じさせないその表現力である。さすが天才作家と言うほかない。「ハイヒールをはいても僕より背が低く」、なんて書けそうでなかなか書けるものではない。因みに三島由紀夫氏は163センチだったそうだ。

 

しかも、ここに挙げている条件、よく見ればそんなに贅沢を述べている訳でもない。夫の仕事には立ち入らず、家庭を守ってほしい、当たり前のことではないか。(気を悪くされた方がいたら謝る。)

https://gamp.ameblo.jp/fumiakityan/entry-12087150903.html

 

 

私のお見合い遍歴については前に触れた。条件を出せるような器量ではないことはよく承知している。私が相手に求めた条件は突き詰めればふたつ。時間を守ること、食べ物に好き嫌いがなくよく食べる人。それだけ。

 

時間を守ることについては私の人格の中の数少ない美徳のひとつだ。私に対して時間を守らないとかルーズと思っている人はひとりもいない筈。

 

食に関しては昨日の続きではないが美味しんぼに出てきた主人公、山岡のこれらのセリフに全面的に共鳴した。

「大食いの人間に悪い者はいない。」

「好き嫌いの多い奴は性格的にもねじれた奴が多い。」

 

結婚相手と言えども所詮は他人なのだから最初は敷居を低くしておいて、後は日々の生活の中でお互いに改善していけばいいではないか。おノロケでも何でもなく私達夫婦はそれでうまくやってきたと確信する。

 

「全く愛のない結婚より悪いものがひとつだけ存在する。それは愛はあるが片方にしか愛がない結婚である。」オスカー・ワイルド

 

まさか。