自分で自分が嫌になる

少し前に和歌山県庁前でイルカ漁に反対していた連中のことを悪し様に書いた。イルカもイワシも同じ生命ではないかと書いた。

 

昨夜うちの日頃使わない部屋で鳥の赤ちゃんが鳴いているのを妻が発見した。

 

大きさは4-5センチ。まだ目も開いていない。前に飼い猫が野鳥を咥えて来た事があるが今回は考えられない。どれだけ甘噛みしてもひとたまりもないだろう。窓は10センチほどの隙間があったが、窓際ではなく部屋の中央にいた。とすれば考えられるのはただ一つ。親鳥が雨しのぎに我が子を連れて来たのではないか。

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幸い前に鳥を買った時のケージがあったのでその中に保護した。写真はその時のもの。物音に反応して懸命に餌をねだる。可愛い!

 

種類が分からないので先ず熱帯魚に与えている冷凍アカムシを溶かして与えてみた。余り好みではなさそうだ。妻がゆで卵の黄身をすり潰したものを用意した。こちらは好きそうだ。結構食べてくれた。とは言えこちらは野鳥に関しては全くの初心者、いつまでも世話出来る訳がない。

 

そう言えば前に猫が野鳥を連れて来た時、県庁(保健所)に連絡すると引き取りに来てくれた。確か野鳥を無断で飼うのは禁止されているとも言っていた。週末の5時過ぎ。繋がるだろうか。幸い繋がった。良かった。これで無事渡すことが出来る。

 

処が返答は以前と全く異なっていた。前に引き取りに来てくれた話をすると

「確かに以前はそのような対応をしていた。しかし今は国の方針変更でやっていない。」

「ではどうすればいいのか。」

「庭にでも放して下さい。」

「この雨の中放せ?すぐ死んでしまう。」

「でもそれが自然の掟なので。」

「ではどんな事なら動いてくれるのか。」

「動物が人間に虐待されている、などの場合には保護しに行く。」

「じゃあ、私がこの鳥を虐待している事にしてもらって結構だ。何なら罪を被っても構わない。」

 

我ながら滅茶苦茶な屁理屈だ。30分以上粘っただろうか。週末の時間外、すまないことをした。何故こんなに必死に粘ったのだろう。鳥を救いたい、勿論これが第一。しかし心の中で「私の目の前で死ぬのは見たくない」という勝手な願望があったことも事実だ。

 

鳥の赤ちゃんは翌朝も生きていた。餌も食べてくれた。ゆっくり寝られるようケージにタオルを掛けた。昼過ぎに覗くと冷たくなっていた。もっと出来る事があったのでは。それとも半日寿命が伸びたことを喜んでくれただろうか。

 

・・・他の人は部屋の中に突然、写真のような鳥の赤ちゃんが居たらどうするだろう。そのままつまんで窓から放り投げる人もいるだろう。かく言う私も、もしこれがゴキブリだったら叩き潰すか殺虫剤を使うだろう。

 

やはり、人によってイルカとイワシは違うのだ。