スポーツの力

私はスポーツ嫌いを公言しているが、それはいわゆるスポーツ会系の人間にろくな性格の奴がいないことが大きく(中途半端にできるやつ程性格がねじ曲がっている)、スポーツの持つ力の大きさは充分認めている。

 

 

三島由紀夫氏が外国人から源氏物語を誉められるより古橋(廣之進、水泳選手)を誉められる方が余程嬉しく感じたという話は前に書いたが、私も音楽好きのくせに日本人が指揮者コンクール、ピアノコンクールで優勝したというニュースより日本のスポーツ選手が海外で活躍しているニュースの方が断然嬉しい。

 

戦後間もない頃、古橋や橋爪が次々と世界記録を打ち立てても海外ではプールが短いのだろうとか時計が狂っているのだろうと全く相手にされなかった。1949年彼らが全米選手権に出場し、報道通りの力を見せ付けると一夜にして日本人に対する呼び名がジャップからジャパニーズに変わったという。

 

井上尚弥は恐らくは日本ボクシング史上最高の選手だ(もうひとり名前の挙がるファイティング原田はよく覚えていない)。体操の内村航平、スケートの羽生結弦、ぐっと古くなるが柔道の山下泰裕など日本のスポーツ史上最高の選手を数多く目撃出来たことは私の大きな喜びに挙げられる。

 

その井上がラスベガス2戦目の防衛戦も見事圧勝した。テレビを見ると多くの日本(アジア)人が会場に詰めかけて大きな声援を送っていた。

 

アジア人同士の対戦という懸念はあるがこれを機会にアメリカで蔓延しているアジア人へのヘイトクライムが少しでも納まることを心から願う。