今更ながら・・・

昨日ブックオフで買ったCDの1枚がロシア(当時ソ連)の指揮者ムラヴィンスキーが1973年に初来日した時のライヴ。1973年と言えば大阪万博の僅か3年後。当時は外国人そのものが珍しく、外国人というだけでサインや記念写真を求められたりしたというエピソードは有名だ。

 

収録曲は有名なショスタコーヴィチの5番だが、演奏終了後の拍手の凄まじいこと!優秀な録音と相まって当日の聴衆の熱狂ぶりがよく分かる。私自身、CDは勿論、テレビ、DVD様々な音源のライヴを聴いてきた。自慢出来るほど多くないが実際のコンサートにも行っている。それでもこのCDに収められているような熱い拍手を聞いたことがない。海外の演奏会を含めても。

 

昔読んだ本にこんな文章があった。「それにしてもあの頃の聴衆は真剣に何かを求めてコンサートに来ていたような気がしてならない。」何十年かして初めてこの言葉の意味が分かったような気がする。

 

 

先日見たNHKの「幸せなら手をたたこう 名曲誕生の物語」が素晴らしかった。原曲はアメリカ民謡で日本で人気に火が付き今や世界の多くの国で親しまれている。

 

この曲が世界に広がる要因になったのが東京オリンピックで、当時のカナダ、ホッケーチームの一員がインタビューに応じていた。年代的に80歳近いだろうこの男性、昨日の事のように語っていたその内容に感動した。

 

「選手村と競技場の往復に乗ったバスガイドさんがとても温かい人で我々が勝ったと言っては泣き、負けたと言っては泣いてくれた。負けて落ち込んでいる時、慰めようと歌ってくれたのがこの曲だった。」

そう言って日本語でこの曲を歌った。今でも覚えているのだ。