人間の勝手な都合

子供の頃、紀州みかん、中でも有田みかんと言えば東京の果物店でも特別扱い、陳列棚の特等席に鎮座していると聞かされてきた。

 

先日のネプリーグを今見終わった。最後の方にいくつかの農産物の収穫量が一番多い都道府県を尋ねる問題があり一番目にみかんが出た。回答者は「愛媛」と答えた。ショックなことに結局誰も答えられなかった。和歌山は20年近く連続1位なんだけど。子供の頃に聞かされてきた話は何だったのだろう。

 

県を代表してPRさせてもらうが名前は県民が思っているほど有名ではないかも知れないが味はダントツに一番。これは自信を持って言える。他の県のみかんしか食べたことのなかった人が初めて有田みかんを食べて「みかんってこんなに美味しかったの!」と驚いたという話は何度か聞いたことがある。

 

折角いいものを作っているのに宣伝が下手なんだなあ。ボンジュースとジョインジュースの知名度の差は絶望的だ。

 

 

小学生の頃、自分で言うのも面映いが私はなかなかの人気者だったと思う。その理由のひとつに面白い本を見つけて休憩時間などに皆に紹介していた事が挙げられる。下記はその中の一冊。

 

猛獣もし戦わば―-地上最強の動物は?- (1970年) (ベストセラー シリーズ) https://www.amazon.co.jp/dp/B000JA2TLE/ref=cm_sw_r_apan_glt_i_C46JCKYAX7D9GXCCGNFS

 

50年前の本が今でも手に入るのは驚きを越えて感動的ですらある。今読んでも充分面白いことは保証するが見ればお分かりのように子供向けの本ではない。それでも当時クラスメートの何人かに貸し出したことは覚えている。当時の子供は今想像する以上に知的だったのかも知れない。

 

この本の続篇に「人と猛獣の戦い」という本が出た。こちらは上記ほど面白くなかったがこの一文が印象に残っている。

 

「アフリカで人間が猛獣の犠牲になる数がアジアに比べて少ないのは彼等は最後まで戦うからだ。それに比べてアジアの人はもうダメだと思ったら抵抗せずに諦めてしまう傾向があるようだ。」

 

今、熱帯魚を4匹飼っている。ディスカスエンゼルフィッシュそれに、グラミーが2匹。大きさは皆同じくらい。原産地は前2種がアマゾン、グラミーは東南アジア。

 

見ているとディスカスとエンゼルはとにかくよく喧嘩をする。餌を食べる時以外の半分は小突き合いをしていると言っても過言ではない。幸い力が均衡しているのか一方的なイジメになっていないので放置しているが堪らないのはグラミーだ。偶にアマゾンのチンピラ組に絡まれている。それ程頻繁ではないが。

 

上の本ではないが、人間だけでなく魚もアジア生まれは優しい性格なのかも知れない。

 

人間も罪作りだ。自然界では絶対に出会うことのない魚達をを、それも河川に比べたらはるかに狭い水槽に無理やり閉じ込めてしまうのだから。

 

その勇敢なアフリカやアマゾン(南米)の人々を圧倒的な力で制圧したのが白人だ。大航海時代以降、人間は移動の自由を得たが平和からは遠ざかってしまった。今更言っても仕方ないけど。