自分にも言えない

「凛凛チャップリン」という本を読んだ。最初タイトルを見た時はチャップリンが好きな女の子の靑春小説かと思ったが、真面目なチャップリン研究書であった。没後44年、チャップリンを直接知っていると言えば黒柳徹子さん世代、もう数はそういない。

 

この本も過去に出た報道や書籍、特に自伝からの引用の総まとめといった内容で3/4位は既に知っている内容だったが、今なおチャップリンに関する新刊書が出ることは嬉しい。

 

完全自殺マニュアル

http://www.ohtabooks.com/publish/1993/07/05202311.html

衝撃的なタイトルのこの本が発売されて未だ28年か。もっと前だと思っていたが。

 

とにかく一冊まるごと最初から最後まで自殺に関することばかり。

こんな死に方はするな、とかこの方法は楽に死ねるとか。一見自殺を誘っているように見えるが内容がリアル過ぎるのでこの本を読んだら却って自殺を思い留まる人の方が多かったのではないだろうか。

 

私がこの本で一番印象に残っているのが遺書の書き方。こんなことが述べられていた。

とにかく家族や友人への恨み言をいっぱい書くこと。その方が遺された人が早く貴方を忘れられる。逆に「私は幸せでした。先立つ不幸をお許し下さい。」などと書くといつまでも貴方を忘れられず却って辛い思いをさせてしまう。

 

思わず身震いするほど衝撃だった。確かにその通りだろう。

 

遺書と自伝は勿論同じではない。でも、じゃあ自伝に書かれていることは全てその人の本音かと言うと私はけしてそんな事はないと思う。本人が書いているのだから間違いあるまい、そんな風に見ていると思わぬ落とし穴があるのてはないか。

 

芥川龍之介の言葉にもあるように

「人間には自分にも言えない秘密がある」

 

このプログだって・・・。