当たり前か

まだ30代前半の頃、会社の先輩に言われた。

「お前も40歳を廻れば体力がガクッと落ちたことを実感する日が来るぞ。」

 

その時は何を言ってやがる、と気にもしなかった。実際そんな体調の変化が来ることなど想像も出来なかった。それがいつだったのが、具体的にどこの部位にどんな衰えを感じたのか今となっては覚えていない。が、「確かに先輩の言葉は正しかった。」と身体ももって実感する時があった。

 

最初に身体の衰えを感じてから既に20年以上になる。もはや身体のどこかに違和感があるのが当たり前と言える状況になっている。昔なら一つ飛ばしで上り下りしていた階段が1段ずつでもしんどい。立ち座りする時膝が痛い。正座がきつい。等々

 

何かの本で読んだのだが動物にはそれぞれ持って生まれた寿命というのがあり、例えばネズミなら2.3年、ゾウは60.70年、亀は種類によって100年を超える。そういう生物学的に見ると人間の寿命は30.40年だと言う。

 

本来それだけしかない筈の寿命を医学の力や公衆衛生の徹底で倍以上生かされているのが今の人類だと思えば40歳を越えて身体にガタが来るのも当然のことと思えてくる。

 

人間も元を正せば大自然の中の一生物、身体が弱れば野垂れ死ぬか他の動物の餌食になるかだったに違いない。

 

体力の衰えをカバーするのは気力と経験(知恵)だろうが、悲しい哉その気力にも衰えがやってくるのだ。そのことを実感したのはまだ最近のことだが、これはまたの機会に。