「アマデウス」という映画があった。映画に出て来るモーツァルトはとにかく常識知らずで下品。ところ構わずたとえ王様や貴族の前でも奇声を発し「君のおしりに口づけを！」なんて文章の手紙を女性に送ったりしている。彼の作曲した美しい名曲の数々しか知らない人にはさぞやショックだったであろうが私は全く驚かなかった。彼が実際そんな人だったというのを知っていたこともあるが、もし知らなかったとしてもモーツァルトほどの超天才が常識人だったら逆に気持ち悪い。
https://news.yahoo.co.jp/articles/18d73bc179f1ba4ca7070f2363111ff6385cf380
また出た。週刊誌得意の有名人叩き。先に断っておくが今回ばかりは内村選手の味方をする。内村選手は先日引退したので大目に見るが現役選手だったら許さないからな。
このニュースの出元は知らないがあくまで家庭内、夫婦間の問題を外に持ち出したのは奥さん側のようだ。どこかの夫婦のように暴力があったのなら話は別だが。勝手に家を出たかも知れないがわざわざよそに話すことはないだろう。モラハラと言うのなら奥さんの方がはるかに罪が重い。浮気をしていた訳でもなさそうだし、第一同居しているだけで口も効かない夫婦はそれこそ数限りなく居るだろうし、そんな重苦しい空気を子供に味わせている夫婦に比べたらはるかにマシではないか。
夕食を作っていたのにウーバーイーツを頼んだ？構わないではないか。逆に夕食は要らないと言っていたのに急に欲しいと言われたらどう感じるのか。これは笑い話だがある家のご主人がこう言ったという。
「今週の金曜日、同僚と飲んでくるわ。たまには美味しいものを食べたいからな。」
前にも書いたが内村選手は日本スポーツ史上あらゆる競技を通じて最高のプレーヤーであり天才だ。陸上で言えばウサイン・ボルト、水泳で言えばマイケル・フェルプス、サッカーで言えば・・・よく知らん。まあ、彼等と並ぶ存在だ。そんな天才に一般世間の常識を求めるなよ。内村選手は野菜は大嫌いでブラックサンダーを何十枚も食べたとか言うが本人のコンディションがそれで整うのであればそれでいいではないか。もしウーバーイーツではなくブラックサンダーや家にある菓子を食べたのなら問題はなかったのか。
家庭サービスがなかったと言うが先日の引退会見でも語っていた通り「自分は世界一の練習をしてきたという自信はある。」つい最近まで現役だった人にそんな事を求めるなよ。
ある日内村選手が肩の筋肉を痛めた。普通なら当然欠場するケース。ところが次の日会場に現れたので同僚の選手が痛みはないのか聞いたところ「まだ痛い。でも今日は別の筋肉を使うから。」といつも通りの演技をしたと言う。彼は全く訳が分からなかったそうだ。同じオリンピアンレベルの選手ですらこうなのだ。
殆どのプロ棋士は運転免許を持っていない、もしくは運転しないと言う。運転中も盤面が頭に浮かび、ついそちらに神経が行くので危ないからだ。ある意味欠陥人間と言えなくもないが誰もそんなことを言わない。
モーツァルトに常識を求めないのと同様の目で内村選手を見るべきだ。ある分野に傑出した才能を持つ人を社会常識がないから、と葬り去るのは国家的損失だ。
