私が滋賀県大津市に住んでいたとき、いつもの通勤道がいつにない大渋滞で危うく遅刻しそうになったことがあった。渋滞の原因はその道路近くに住んでいた任侠(いわゆる暴力団)の家で何かの集会があったらしく、多くの高級車で数十メートルに渡り道の片側が占拠されていたことによるものだった。
明らかな駐車違反。なのに警察は注意する訳でもなく、それどころか交通整理をしている始末。その時私は思った。「交通整理をする前になぜ違法駐車の車を退かせないんだ。遅刻したらどうしてくれる?」
大企業と地方町村の関係もこれに似ている。
「公道を倉庫代わりに使うカンバン方式」
とは佐高信氏の名言だが、私の居た松下電器でもその日に使う部品を積んだ多くのトラックが朝早くから列をなして並んでいた(始業時間まで入れないので)。工場は街外れだったので実際どれ位の被害があったかは不明だが公道であることに間違いはない。でも一回でも警察が違法駐車の取り締まりに来たことがあるか。
それにご存知のようにトラックは基本的にエンジンを切らない。したがって今思えばかなりの空気汚染の元にもなっていたことだろう。でも地方にとって大企業は多くの金と雇用をもたらしてくれるので地域の住民も公的な機関も大目に見てきたのだ。
ENEOSの工場閉鎖発表に知事抗議。
まあ、厳しいコメントの数々よ。私も今まで何の根回しもせず、あたふたしている和歌山県はアホだと思う。でも、和歌山県がアホなのは今に始まったことではないではないか。他の県並みに賢い人が居たら今ほど衰退してはいないだろう。
それにENEOSもきっと地元の町(有田市)から有形無形さまざまな恩恵を受けて来たと思うのだ。詳しいことは知らんけど。
もう一度考え直してはもらえまいか。