綺麗事を言うな

今日夕方の全国ニュースのトップはコロナでもなくオリンピックでもなく明日東京に大雪が降るかもしれないというもの。確認できた限り各局とも同じだった。

ふざけるな。そんなニュース、関東ローカル枠で流せよ。もう何回も言っているのだが。脱力。

 

 

私は綺麗事を言う奴が嫌いだ。

「流した汗は裏切らない。」とか 

「努力は天才に勝る。」とか言う奴。

「神様は耐えられる試練しか与えない。」とか言う奴も嫌いだ。もし、その言葉が本当ならこの世に自殺する人間なんか居ない筈。

 

自殺と言えば今日古書店で懐かしいタイトルの本を眼にした。「完全自殺マニュアル

 

この本が出たのは30年ほど前か。その頃多分、いや間違いなく私はこの本を読んでいる。今は手元に無いので処分したのだろう。タイトル通り自殺に関する豆知識が満載の意外と真面目な本だった。この方法はイメージと違って楽に死ねるとか、この方法は死体の処理が大変なのでやめておけとか。

 

2度と開く気のしない本なので今日も手に取ることはなかったが深く印象に残っていることがはひとつあり、今でも忘れられない。

 

それは遺言書の書き方で「出来るだけ恨みつらみをたくさん書け。」ということ。下手に「先立つ不幸をお許しください。」などと書くと残された者が何時までも忘れられなくなり却って辛い思いをさせるのでやめておけと。30過ぎの若造の心にもなるほどと合点したものだ。

 

 

遺言書ではないが高梨沙羅選手がこれ以上ないほどの胸打つ文章をインスタグラムに寄せている。

 

https://www.sanspo.com/article/20220208-YLKMZDAJFZH3JKHMYFF3ORFNYM/?outputType=amp

 

沙羅ちゃん、すっかり涙もろくなった初老おやじをこれ以上泣かせないでくれ。

 

文章を見ていると引退を考えているのかと思わせる部分もあるがどうかそんなことは考えないで欲しい。

「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない。」と言うではないか。

 

いかん、嫌いな筈の綺麗事を言ってしまった。