哀惜の念、膨らむばかり

ずっと前から疑問に思っているのだが「仕事が好き」と「勉強が好き」、「仕事が嫌い」と「勉強が嫌い」。仕事が嫌いと言うとやる気のない、男らしくない人間と思われるのに勉強が好きと言うとがり勉で気持ち悪い人間のように思われるのは何故だろう。どちらも国民の義務なのに。まあ、私はどちらも嫌いだったが。

 

私は仕事にせよ、勉強にせよ他人に迷惑を掛けない限りどちらでも構わないと思っている。全く勉強しないのも寝る間も惜しんで勉強するも、早くリタイアして第二の人生を謳歌するも死の前日まで働くもどちらが偉いとか尊いとかとは全く関係ないことだ。

 

そんな私だがこんなニュースを眼にすると哀惜の思いで胸がいっぱいになる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/525de4571041e7b5d6062b5b1f098ca48a84dcd9

 

映画評論家の淀川長治氏がチャップリンの「ライムライト」(1952)の撮影見学に行った。そのシーンで

「Time is great author(時は偉大な作家だ)」というセリフとチャップリンの白髪を見て淀川さんは涙が止まらなくなった。

 

「あのサイレントの王様、チャップリンが今まだ生きて、目の前でトーキーの映画を撮っている。しかもそのチャップリンが白髪になっている。そう思っただけで涙が溢れてきた。」

 

そのシーンを撮り終えたチャップリンが淀川さんの元に駆け寄って聞いた。

「Why you cry?」(なんで泣いてるの?) 

「タイムという言葉と貴方のグレーヘア」。

 

それを聞いただけでチャップリンは全てを理解して淀川さんを優しく抱き締めたと言う。

 

この火災事故、何故こんなにも私の心が傷むのか、いくつかの単語を並べるだけに留めておく。チャップリンになって推察して欲しい。

・北国

・深夜

・アルバイト

・高齢女性