旧き良き時代は還らない

今は全くと言っていいほど見ないが昔は熱心な相撲愛好家だった。どのくらい好きだったかと言うと大学受験の正に入試試験の真っ最中でも3月場所(大阪場所)の中継を最初から最後まで見ていたほど。

 

相撲に限らないが昔の力士と今の力士、どちらが強いかというテーマはファン永遠の関心事だろう。体格面では今の力士の圧勝だ。大人と子供、とは言わないが大人と中学生くらいの差はあるだろう。だが昔の力士の方が断然勝っているものがある。それは稽古量の違い。これは問題にならない。

 

昭和30年代に空前の相撲ブームを作った「土俵の鬼」横綱若乃花は自身の弟、貴乃花(後の横綱貴乃花の父親)を「自分の半分も稽古していない。」と嘆いたがその若乃花も若手時代は力道山(後にプロレスラー転身して大成功を収めた)に「死ぬかと思った」ほどしごかれたという。

 

私が相撲を見なくなったのもこういった鍛え上げた力士同士の取り組みが見られなくなったことも大きいのかも知れない。いわばプロがプロでなくなりつつある時代。

 

プロがプロでなくなりつつあるのは相撲だけではない。歌い手の世界でも。

https://youtu.be/AB1rX49xGws

 

曲は前にも絶賛した渡辺真知子さんのブルーだが視聴者のコメントを読んで欲しい。

 

こんな凄い歌唱がごく普通の毎週の歌番組で聞けていたのか。私自身その時代を経験している筈なのにちょっと信じられない。

 

普通の歌番組でこれなのだから紅白歌合戦ともなると各歌手の力の入れようが違っていた。ある初出場歌手はリハーサルで美空ひばりの歌を生で聞いて「私にはこの人と同じステージに立つ資格がない。」と辞退を申し出たという。その位みんな真剣だった。

 

紅白を見なくなって久しいが家族は今でも見ている。昨年も時折ちら見したが男も女もグループで狂ったように(おっと、差別発言か)踊る連中が大半。歌は付け足し。いっそ「紅白振り付け合戦」にでも名前を変えたらどうか。

 

私と同じ誕生日の近藤真彦美空ひばりの歌を聞いて「おばさん歌上手いね。」と言ったとか。

 

この頃から日本の歌謡界は駄目になっていったように思う。