五木ひろしさんや八代亜紀さんらを輩出した「全日本歌謡選手権」という番組があった。「スター誕生」などと違って歌そのものに主眼を置いた番組だから出てくる人も皆それなりに上手かったが、審査員の辛口だったのにはテレビで見ていても気の毒になるほどだった。中でもある回の船村徹さんの言葉が忘れられない。ある人が歌い終わった後、司会が「船村先生如何だったでしょうか?」それを受けての会話。
「あなた、今日はどういう目的で来たの?」
「自分の実力がどんなものか試したくて。」
「あー、良かった。プロになりたいなんて言われたらどうしようかと思った。」
この時私はまだ小学生か中学生だったが思わず背中に冷や汗が流れる思いがしたものだ。
今、聞いたこともない大学がやたらとテレビCMを流している。「私たちは東の早慶、西の○と呼ばれることを目指しています。」
ここで関西らしく「な~んちゃって」と締めれば面白かったのだが「私たちは真剣です」と来た。船村先生の前で「プロになりたい」と言うようなものだ。その根性は良しとするが。
知床旅船引き上げの税金投入に批判殺到。
https://article.auone.jp/detail/1/2/2/99_2_r_20220507_1651889443160456
だから言わんこっちゃない。マスコミや国民なんて所詮いい加減。ついこの前まで船会社社長をヒトラー並の極悪人呼ばわりしておきながら、今度は下手をすれば被害者遺族が悪く叩かれかねない状況になっている。会社にも社長にも金が無い、募金などしている時間がないとなれば選択肢は3つしかない。
①被害者家族が費用を出す。
②ボランティアで引き揚げしてくれる業者を探す。
③税金投入。
これ以外に何があるのか。
もっとも私とて特定の事故にだけ税金を投入するのは反対だ。これが2人乗りの釣り船が沈没しただけの事故でもここまで熱心に探索してもらえていただろうか。被害者、また家族にとっては同じひとりの命であることに変わりはない。
どうせ遭うなら大事故に限る。