何もかも一番でないと気が済まないのか

昨夕北海道で震度3の地震があったらしい。この程度の震度ならそれ程の被害も無かろうに9時のNHKニュースでは冒頭わざわざこの地震を報じた。これが和歌山での地震でも同じく取り上げただろうか。

 

私が文化財に関心を持つきっかけになった「歴史百科日本国宝事典(1980)」を見ると都道府県別国宝所有数1位は京都で239件、2位が東京で227件となっている。

それが2021年には京都が237件なのに対し、東京が283件と1位2位が入れ代わっている。京都の▲2件も気になるが、東京が56件も増えているのはどういう理由に依るものか。他県の国宝を引き抜いたか、東京所在の文化財を優先的に国宝指定したか、恐らくその両方だろう。

 

珍しく全国ネットの番組で白浜のアドベンチャーワールドが取り上げられた。そのこと自体は喜ばしい。

https://mantan-web.jp/article/20220813dog00m200001000c.html

 

気になったのは日本の動物園でのパンダの数。日本でパンダが見られるのは白浜と上野と神戸。それは知っていた。数は白浜が6、7頭、上野が2、3、神戸は1くらいだろうと思っていた。和歌山が東京を圧倒している数少ない自慢のひとつだ。そう思っていた。ところが・・・。何と白浜の7頭に対し上野に5頭も居るという。今のところかろうじて上回ってはいるものの、かなり肉薄されている。国宝の例もある。危ない危ない。

 

国宝にせよパンダにせよ金で寄せ集めて1番になることがそんなに嬉しいか。如何にも巨人軍のお膝元に相応しい振る舞いだ。原発など危ないものは地方に押し付けやがって。

 

往年のドイツの大指揮者、ハンス・クナッパーツブッシュミュンヘンの地から離れることが滅多になくベルリンやウィーンからの引きも切らない客演要請にこう答えたという。

「そんなに聞きたけりゃ、そちらから聞きに来い!」

 

わざわざその地に行かなければ出会えないものがあればこその地方活性化ではないのか。

 

東京よ、少しは地方に譲ることも覚えろよ。