国葬に思う

パナソニックの創業者、松下幸之助氏は和歌山の裕福な家庭に生まれたが父親が米相場に手を出して失敗、一家離散状態となり9歳で大阪に丁稚奉公に出たことは有名だ。

 

住み慣れた大屋敷を出て、膝寄せ合わせざるを得ない小さな借家住まい。確かに大変な悲劇だが、まだこれは父親がギャンブルに失敗したツケと言えないこともない。

 

先日放送されたNHKスペシャル中流危機を越えて」冒頭で紹介された家庭の悲劇は次元が異なる。

 

30年ほど前、結婚間もなく一戸建てを買った。子供にはそれぞれ部屋を与え、庭には綺麗な花が咲き誇っている。ところがその家庭の日常はある日突然崩れ去る。給料が上がらない、それどころか各種手当が大幅に減額され手取りは減る一方。遂にローンが払えなくなったのだ。狭いアパートに引っ越さざるを得なくなり、当然子供のおもちゃも全部は持って行けない。「この人形を手放すのは嫌だ。」ぐずる女の子に涙を禁じえない。

 

この家庭、父親はギャンブルも何もしていない。相場に手を出した訳でもない。ただ真面目に働いてきただけだ。今、こんな家庭は少なくないのだろう。こんな悲劇を生んでしまったのは政治の怠慢ではないのか。

 

毎日見ている「暴れん坊将軍」、今日は「食通くらべ日本一!」というサブタイトル。天下泰平の世となり、1回の食事に何万、何十万と使う成り金が出てくる一方、子供に満足な食事もやれないのに、と長屋のお母さん。

 

 

昨日の国葬、多くの感動を呼んだという菅前首相の弔辞に「(首相選に再出馬することを)銀座の焼鳥店で1時間口説いた」とあった。

銀座の焼鳥店ねえ。私が行く焼鳥店は1本100円位だけど銀座ならいくらするのでしようねぇ。それにしても銀座って言葉をいちいち入れる必要があったのですかねえ。

 

安倍晋三という元首相が国葬に値する程の政治家だったのか、それは知らない。どれだけ討論しても永遠に回答など出ないだろう。

 

しかし日本は今上記のような状況なのですよ。費用は何とか工面出来てもコロナのせいで葬儀自体を自粛している国民も多く居るのですよ。

 

残念なのは安倍昭恵さん、何故国葬を辞退しなかったのですか?あなた方夫婦のお気楽な家庭内会話のせいで自殺に追い込まれた人がいることをよもやお忘れではないですよね?