セカンド・オピニオン①

ブーニン現象」という言葉が生まれるほど日本でも大人気を博したロシアのピアニスト、ブーニンさんの番組が放送された。

https://www.nhk.jp/p/ts/P3Y4RG9P4G/episode/te/4NZYW3JK26/

 

しばらく噂を聞かないと思っていたがこの間怪我や病気に苦しめられ、随分と過酷な日々を過ごしていたらしい。特に自宅で転倒、左足首を骨折した時は持病の糖尿病の影響もあり患部が壊疽を起こし、ほとんど全ての医師から脚の切断を言い渡されたが最後に辿り着いた医師が骨を切って繋ぐという難手術を申し出てくれて最悪の事態を免れた。私はピアノを弾けないので分からないが左足も右足でペダルを踏む際に踏ん張るのに絶対に必要とのこと。もし、この医師に巡り会えていなければピアニスト、ブーニンはこの世から無くなっていたかも知れない。

 

ガン宣告を受けた友人に会うことが出来た。平静を装ってくれるのが却って辛い。実際どこも痛くないし、食欲も普通にあるらしい。だからこそ発見が遅れるのだろう。ただ一見かなり痩せたように見えたのでその事を聞くと、検査の連続で「今日はおかゆだけにして下さい。」、「今日は何時以降食べないで下さい。」と言われ続けると食べたくても食べられないからこうなってしまったとのこと。

 

これがガンでなければ「痩せられて羨ましいよ。」とジョークのひとつも言うところだが勿論そんなことは絶対に言えない。日前宮で買った病気平癒の御守を渡した。日前宮で買ったのは伊勢神宮と同格という格式もあるが常店で買えるのが和歌山市ではここしかないという事情もある。折しも日前宮は七五三の親子連れで大賑わい。そう言えば私も自分の子供の七五三に両家の親を滋賀県松下電器の保養所に招待して夜はカラオケで盛り上がったことを思い出す。今思い出してもあの頃が人生でピークと言っていい位の幸福の絶頂だったと珍しく感傷的な気分になった。

 

勿論、友人の手術は絶対に成功し、元通りの生活に戻れる。その事に何の疑いも持っていないが確実に世代は移り変わっている。そのことは認めざるを得ない。七五三において我々は祖父祖母の立場。絶対に居なくてはならない存在ではもはやないのだ。

 

この項、続く。