呑み友達

私の大好きな曲のひとつ、マーラー大地の歌」の第一楽章は酒宴の歌の別名があるほど酒呑みの心情を音にして余すところがない。

(音が出るので注意)

https://youtube.com/watch?v=vhYOWSlkCBY&feature=share

 

では酒呑みの心情とは何か?ひと言で言えば退廃である。

「どうしてそんなに飲むんだ?」

「忘れるためさ。」

「何を忘れたいのだ?」

「・・・忘れたよ。そんなことは。」

(中島らもさんの本より引用)

 

例の友人が電話をくれた。詳しい病状は省くが以前のような酒量に戻ることは当面難しいと感じられた。

 

有り難いことにこの歳になっても私には何人かの呑み友達が居て、今でも定期、不定期に飲み会に出かけている。つい先日も友達ふたりと飲み会に行ってきたばかりだ。

「お前と行ったら割り勘は絶対損やからな」と2時間飲み放題のコースを予約してくれていた。有り難い。ところがひとりは車で来ている。昭和の宴会なら考えられない蛮行(笑)。もうひとりは普通に飲む方とは思うが2時間で飲んだのは生中2杯とチューハイと日本酒。30分に1杯のペース。そんなものかなとも思うが、私なら30分でそれくらい飲んでみせる。って自慢にもならないが。

 

私がここまでの酒好きになったのは父親が全く飲まない人だったことへの反動も大きい。無い物ねだりかも知れないが偶には真っ赤な顔をして玄関でぶっ倒れるような父親像に憧れるようになっていた。幸い妻の父親は正にこの通りの人で、義父も私が来ることを大変楽しみにしてくれていたと聞いた。

 

その義父も7年前この世を去った。娘の婿達はこれ以上ない好青年だが酒は付き合い程度。もっとも娘達は私を見て酒を飲まない人を選んだかも知れないので不満は言えない。幸いなのは元々酒好きではなく、私を見ているので尚更酒嫌いになってもおかしくなかった息子が酒飲み大国、高知の大学に進学したことで結構な酒好きに生まれ変わって戻って来てくれたことだ。次はイケる口の女性と結婚してくれれば言う事なし。

 

これで私の呑み仲間で私より飲む人はいなくなった、と思っていたらひとりいた。大阪でタクシー運転手をしているHさんだ。彼は確か私より2、3歳年長。彼はちゃんとがん検診を受けているのだろうか。

 

早速メールで確かめよう。