ファミリーヒストリー

NHKの番組名からタイトルを拝借した。当該番組は2回しか見たことがない(藤原紀香さんの回と坂口憲二さんの回)が誰しも自分が知らないヒストリーを持っているものだ。

 

改まってこんな事を書いたのは60をとうに過ぎた今になって初めて知ったことを昨日、それも3つも聞いたからだ。本格的に調べた訳ではないから何代も前の話ではない、私の両親、父母ともに私に話さなかった秘密があったのだ。

 

先ず、父。私は父はずっと4兄弟の3番目、姉、姉、本人、弟と思っていたが、長女と思っていた姉の上にもうひとり娘がいたらしい。つまり5人兄弟。以前、用があって2番目の姉の戸籍を見たことがあるがそこには次女と記されていた。つまりその子は出生届も出されない内に亡くなっていたことになる。事情はこうだ。父方の祖母は乳の出が良くなかったらしい。それで同じ頃に子供が出来た近隣の女性に「貸し乳」をしてもらっていた。処がある日、その女性の家が引っ越してしまい母乳を与えることが出来なくなってしまった。今のように粉ミルクなどない時代、米の研ぎ汁や重湯を与えていたが亡くなってしまった。多分栄養失調だろうと思われるが祖父祖母はずっと「私らが殺したんや。」と悔やんでいたという。

 

母の話はもっと壮絶だ。私は母も40代で若死にした兄と二人兄妹と思っていたが何年か前母の戸籍が次女になっていることを知った。子供だったら無邪気に何も考えることなく母に聞いていただろうが、さすがに50歳も過ぎていたので何か事情があるものと遠慮して聞けなかった。うっすら自殺かも知れないとは想像していたが。

 

その自殺の原因を昨日知ったのだが余りに衝撃的過ぎた。結婚相手の母親が後妻で何と母の姉と結婚する前に結婚相手とその後妻ができて(関係を持って)いたのだ。知ったのは結婚後で祖父はリヤカーに花嫁道具を積んで山を越えて帰って来たという。

しばらく実家に帰り元通りの生活をしていたがある日服毒自殺した。妹(母)に掛けた最後の言葉は「何か食べたいものある?」だったという。

 

「事実は小説より奇なり」というが映画でもドラマでもここまで壮絶な話は聞いたことがない。今だったら裁判で膨大な慰謝料を請求出来るだろうが戦後すぐのまだまだ封建色の強かった時代、祖父祖母にはそんな発想すら湧かなかったのかも知れない。

 

そして3番目は正に私に関わることだが、これこそ特筆大書しておきたい!

 

姉婿は市役所勤務で一時期市長秘書をしていた。ある時、市長に来客があったのだがその人は松下幸之助相談役(当時)とアポ無しで面会できる数少ない人のひとりだったらしい。それが私が丁度松下電器に入社した頃で、姉婿が家内の弟が今年松下に入った旨話すと名前を聞かれ、答えると「あ〜。○君(私)なぁ。あいつ確かトップで入ってるで。」と言ったというのだ!

 

この話を姉から聞いたのは昨日2022/11/23。

 

いくら何でも遅すぎはしないか。もっと早く聞いていればもう少し会社での艱難辛苦にも耐えられたかも知れないのに。

 

皆さんもまだ知らないご先祖の秘密があるかも知れませんよ