おとなしいだけが良い訳ではない

ブラームスと言うと随分昔の人のように思えるが亡くなったのは1897年で晩年には発明されたばかりの蓄音機を聞いている。ノイズだらけの蚊の鳴くような音であったに違いないがブラームスはこんな感想を述べている。

「もし、目の不自由な人がこれを聞いたらきっと目の前で本物の歌い手が歌っていると思うことでしょう。」

 

武田鉄矢さんが先日テレビ番組で言っていた。「スマホだのパソコンだのって言ったって初めてテレビを見たときの衝撃に比べれば小さい、小さい。」確かにその通りだ。

 

そういう意味では私達の世代は画期的な新しい発明品が世間に導入されてきたことを知っている殆ど最後の世代かも知れない。流石にテレビはあったがまだ白黒。カラー放送は始まっていなかった。新聞のテレビ欄にこの番組はカラー放送であることを示す〈カラー〉という記号が付き始めたのはしばらく後のことだ。

 

電話も我が家は比較的早くから導入していたが隣近所には未だ電話のない家も多く、お隣さん宛ての電話が掛かってくることも普通だった。何より電話帳に(呼)という記号があった。どういうことかと言うと、例えば家が田中(電話あり)、隣が鈴木さん(電話なし)とすると田中のところには当然我が家の電話番号が記載されているが鈴木さんの欄にも我が家の電話番号が記載されていて(呼田中)と書かれている。だから掛けてくる方も「田中さんのお宅ですか?鈴木さんお願いします。」で、隣に行って鈴木さんを呼びに行く。

 

こんな風に書いていて本当にこんなだったのかと自分でも驚いている。

 

 

 

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/dc6de773f091d304d317f648cd82744534b1e951