後悔先に立たず

コロナの後症状も咳だけになった。体温も若干上がったように思うが、これは平熱が上がったのだと良いように解釈しておこう。それにしてもようやくと言うか、未だにと言うか2週間も経つのにしつこい奴だ。

 

今私は猛烈に反省している。用があって占いの本を見たい。確か10冊近くあったはずなのに2冊を除き全てない。理由は分かっている。数年前、妻がメルカリを始めた時、私も少しでも協力しようと供出したのだ。CD程ではないが書籍もかなりの数所有している。その中でどんな本を妻に渡したか。趣味の本、コミック本、中でも折りに触れ書棚から取り出し、同じページばかり繰り返し読んできた本だ。それらの殆どは内容も文章も諳んじているくらい。だからもう売ってもいいだろう。と、考えたのが間違いだった。

 

自室で音楽を聞きながらふと読みたくなる本、もう一度触れたい文章や漫画、それら全て売ってしまった本なのだ。タイガー・マスクの涙なしでは読めない感動漫画、昭和天皇南方熊楠の心温まる物語等々、もう一度見てみたいと思う本の数々が今はもう手元にない。なんて馬鹿なことをしまったんだ。しかもそれらは雑誌や絶版本なのでもう一度買おうにも困難を極める。

 

反対に手元に残した本、司馬遼太郎の「坂の上の雲」や吉川英治の「宮本武蔵」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」その他長編小説の数々。いつか読むだろう、人間一生の内に必ず読むべき作品だともう何年も前から本棚の大きな場所を占拠しているが未だ1ページも開いたことがない。しかも名作文学はいつ如何なる時でも販売中止になることがないから本当に読みたくなれば何時でも買うことが出来るのに。

 

一時国宝や日本美術に興味を持っていた時期があり何年も、何万円も掛けて全冊揃えたいわゆる分冊百科も3種類あるが見るのは同じ所ばかり。これこそメルカリで処分してもらおうと見てみると同じものが殆ど送料だけのような愕然とするような安価で、しかも入札なし。一方ブック・オフで100円で買ったタイガー・マスクのコミックはアマゾンで千数百円。そこまで出しては、ねえ。

 

出るはため息ばかりなり。