株式会社シィー・ネット

上岡龍太郎さんが58歳で芸能界を引退したのは「21世紀の笑いに付いて行く自信がなかったから」と報じられた。どこまで立派な人なのか。今の芸能界を見ればとっくの昔に時代遅れになった往年の大物が未だに大きな顔をしてのさばっている。これは何も芸能界に限った話ではない。政界、財界これだけ老人が未だに権勢を誇っている国も珍しく、これが今の日本の成長を阻害する大きな要因になっている。勿論若手が大人しすぎるのも問題だが、少しは自分で気付いてくれよ。

 

 

昭和30年代にシャープのテレビを買った家庭に社長名で年賀状が届いたという話は前に書いた。今はさすがに電気製品で年賀状は来ないだろうが何年か前、ホンダの新車を買った翌年に社長名の年賀状が届いたことを覚えている。(今はどうなっているのだろう?)その電機メーカーも以前は今では考えられない程親切、親身な対応をしてくれていたことがあり、以下は私の経験談である。

 

冬のソナタ」が初めて放送された2003年、初めてのDVDレコーダーを買った(今だから言うがソニー)。DVDレコーダーは画質も使い勝手も比べ物にならないくらい優れていたがひとつだけ従前のビデオデッキに敵わないことがあった。それは時間が連続した番組を録画した場合、前の番組のおしりが数秒切れてしまうということ。例えば8時から9時までAという番組を録画し、9時から10時までBという番組を録画するとAの録画が8時59分50秒くらいで止まってしまうのだ。大抵の番組ではこの時間はCMかお知らせなので問題にはならないのだが冬のソナタに限っては録画時間ギリギリまで本編の放送があり、しかもこのトラブルに見舞われたのが寄りにも寄って最終回だったから堪らない。今のように放送の配信などない時代、ディスクにして永久保存することを妻に頼まれていたから尚の事だった。

 

私はダメ元でソニーに手紙(かメール)を書いた。すると1、2週間後ディスクの入った封書が届き、そこには「当部署に冬のソナタを録画していた者が見つかりましたのでコピーを送ります。」と書かれていた。何と言う親切な対応!ソニーだけではない、当時のディスク(特にDVD)は高価なくせに非常に歩留まりが悪く、書き込み不可、読み込み不可が頻発した。海外メーカーだけではなく国内メーカーでもだ。つい先日レコーダーで録画、コピーしたものがもう見れない。そんなことが当たり前のように起こっていた。私も十中八九は諦めていたが中にはどうしてももう一度見たいものがある。そんな時はディスクのメーカーに事情を書いて送ると大抵は当方の機器で読み込み出来ましたという手紙とコピーが送られてきた。中にはディスクの検査結果、読み込み不可になった原因を丁寧に報告してくれるメーカーもあった。

 

今はディスクの性能も上がり問題も殆ど起こらなくなった。レコーダーも2番組、3番組同時録画出来るものが標準になったので原理上尻切れのトラブルも滅多に起こらない。ではもし今問題が起こったら以前私が経験したような親切な対応をしてもらえるだろうか?あくまで私の推測だがここまでの対応は今はどこの会社もしないだろう。何よりそんな悠長な時代ではなくなった。あー、嫌な自体になったものだ。

 

と、そう思い込んでいたところにこの会社の登場だ。株式会社シーネット。

https://www.cnet-coltd.co.jp/

 

申し訳ないが具体的にどんな事があったのかについては詳述しない。なぜなら元々何らかのトラブルがあってコンタクトしたことは間違いなく、それは、けしてシーネットさんの利益にはならないと思うから。

 

社会人一年生の頃、丁寧に訂正された手紙は却って好印象を与えると教えられた。これは文章だけでなく、商品、行い、全てについて当てはまることだと言えるだろう。そして今回シーネットさんは見事にこの教えを実証してくれた。

 

今の大会社が全て時代遅れに気付いていない大物芸能人のようだとは言わないし、上岡龍太郎さんを見倣って引退せよとも言わない。でも後進にこんな優れた企業が育って来ていることは知っておいて欲しい。