小林カツ代さん

妻は料理がうまい。「○さんの奥さんの料理を食べたいのでもう一度家に招んでくださいよ。」と女子社員にせがまれたこともある。

 

但しその妻も最初から料理が得意だった訳ではない。今でも覚えているが新婚最初のおかずはサバの味噌煮だったが出されたものはサバ入りの味噌汁のようなシロモノ。こりや先が思いやられると真剣に思い悩んだものだ。

 

そんな妻が料理上手になるきっかけになったのが会社帰りに何気なく買った一冊の料理本だった。南草津駅がまだ無く、瀬田駅からバスに乗って通勤していた時代。瀬田駅界隈の書店の雑誌コーナーにその本はあった。

 

「一冊まるごと小林カツ代さんの本」

次の日からその本は妻のバイブルになった。キッチンの傍らにはいつもその本があった。勉強熱心で努力家の妻はその後もカツ代さんの本を何冊も買い、それと共に料理の腕前もぐんぐん上がっていった。だから私達夫婦はどれだけ小林カツ代さんに感謝してもし過ぎることはないのである。

 

この番組で昔懐かしい小林カツ代さんの映像を見た。

https://www.nhk.jp/p/ts/NL2MGZPNVN/episode/te/MX1K3MXGR8/

1985年の放送というからカツ代さん47、8歳。お若い。「私の息子は中学生なんですよ。」という言葉に涙が滲む。

 

私がもうひとつ気付いたのが当時の野菜の色が濃いこと。人参にせよ、いんげん豆にせよ今こんなに色の濃い野菜を見たことがない。それも人間で言えば日焼けマシンで焼いたような人工的な色ではなく、太陽をいっぱい浴びた元気な色。そう言えば誰かも言っていた。「今の野菜は調理のしやすさは倍になっているが味は半分以下になっている。」

 

一緒にテレビを見ながら妻が話す。「次こうするで。」、「味付けはこうやで。」どうやら全部頭に入っているようだ。

 

あるお寺で見かけた標語。

「天才にはそう誰にでもなれないが、本物には努力次第でなれる。」

 

本物の料理を提供してくれる妻に感謝。