NHKの新ドラマ「エンジェルフライト」は近来出色の傑作だ。https://www.nhk.jp/p/ts/RQZ5J6K75K/
先回の舞台はベトナム人を大量に使っている縫製工場。安い賃金、それも遅配が当たり前の劣悪な条件でこき使われている。思わず目を背けたくるような酷い環境だがユニクロやしまむらなど、低価格を売りにしている服飾店はこんな工場があるからこそ、成り立っていることを忘れてはならない。
何かにつけユーモアは大切だ。何十年か前、餃子の王将は犬や猫の肉を使っているのではないかという噂が広がったことがある。言われてみると焼き肉など確かに牛でもないし、豚でもないような気がした。それである人が思い切って噂は本当か聞いた。すると返ってきた答えが
「そんなもん使ったら却って高くつくわ!」
ユーモアのある店員さんで良かった。店も聞いた人も誰ひとり傷つくことなく解決した。これがもし、聞かれたのが真面目でユーモアセンスのない人だったら顔を真っ赤にして怒っただろう。下手したら訴訟沙汰になっていたかも知れない。王将が未だ関西のローカルチェーン店だった頃の話だ。
ユーモアと言えば作家の藤本義一さんの元にあの豊田商事が来た時の話も忘れ難い。一生懸命に購入を勧めるセールスマンに藤本さんが言った。
「よっしゃ、ほな一億円分買うたるわ。」
ホンマですかと驚くセールスに。
「そやけど残念がら今、金が無いんで貸してくれ。その代わり儲けたら半分やるわ。」
「先生も人が悪い。」
笑いながら去って行ったとのこと。
う~ん、上手いなあ。件数は減ったが私にも投資や金儲けの勧誘の電話が掛かってくる。何かの名簿が出回っているのだろう。ある友人は「うるさい!2度と電話してくるな!」とキレるらしいが私にはそんな真似到底無理だ。「いや、間に合ってますので。」も芸が無い。何か双方笑って受話器を置けるような答え方はないものだろうか。残念ながら義一さんの域にはまだまだ遠い。
その藤本義一さんのもうひとつの忘れられない名言が「脳ミソ麻婆豆腐。」だ。夏の暑さで何も考えられない状態の形容した言葉だが、こんな名言、ちょっと思い付かない。
その「麻婆豆腐」の日が遂に、突然やってきた。昨日までは朝晩、また家に入れば少しはひんやりしたものだが、もう駄目だ。
こんな日々がこれから3ヶ月も続くのか。
あー、嫌になる。