古物市場

滋賀に住んでいた頃、何の目的か忘れたが京都の古物商を訪れたことがある。今のようにリユース品の商売がそれ程一般的ではなく、チェーン店もなかった頃だ。

 

何か買ったのか買わなかったのかすら覚えていないが、記憶に鮮明なのはクラシックファン憧れのタンノイのスビーカーが展示されていたこと。確か定価298千円のものが198千円で売られていた。タンノイでは考えられない値引き。余程物欲しげな目で見ていたのだろう、店の人が声を掛けてきた。「そのスピーカーは新品ですよ。」中古店なのに何故?

 

今でも某古書チェーン店に行くと(ブックオフと言い切ろう)、クラシックの同じ曲の同じ演奏、つまり全く同じCD が何枚か並んでいることがある。和歌山でそのCD を買った人がこの枚数だけあるかどうか。

 

京都で見たスピーカーもブックオフで見たCD も新品(の値段)では売れない。かと言って値引きして売ればブランドイメージに傷が付くので中古市場に流さざるを得なかったという大人の事情が働いているのだろう。

 

店を廻っているだけでも結構社会勉強になることが多い。この項続く。