白鵬引退

横綱白鵬が引退した。この、マルチメディア全盛の時代に今朝の新聞で知ったくらいだから私の大相撲愛もたかが知れている。高校から大学にかけて私は熱狂的と言っていいほどの大相撲ファンだった。場所中15日間は最初から最後まで2時間テレビの前を独占した。大阪場所も何回か見に行った。それは大学受験真っ最中も変わらなかった。

 

相撲を見なくなったのは社会人になり、生で見られなくなったこともあるが、力士全体、身体だけデカくなり、肝心の取組内容が面白くなくなったことも大きい。

 

記録だけ取れば歴代無双と言ってもよい白鵬だが、どの文章を読んでも土俵内外の態度や取り口に疑問符を付けている。

 

「品格力量抜群につき横綱に推挙す。」

 

横綱推薦状のこの文言は昔からずっと変わらない。横綱になるのは平均25〜27歳か。こんな年代の若者に品格を求めること自体、無理があると思うが、白鵬の場合、横綱になりたての頃は先輩横綱朝青龍に対する善玉として、後年ライバルが不在になると悪玉としてマスコミの都合の良いように扱われた。善玉、悪玉ってコレステロールか。取り口もよく「かち上げ」が問題視されたがかち上げなら大鵬北の湖もやっていたぞ。何故白鵬だけが問題にされる?

 

朝青龍本場所休場中にモンゴルでサッカーをしていた事がバレて引退に追い込まれたが、私は朝青龍こそ確かにやんちゃな面はあったが、本当は好人物だったのではないかと思っている。

 

その朝青龍に対して元来それ程の人格者でない白鵬が善玉を演じなければならなかった。この辺り、堀江貴文氏をを朝青龍三木谷浩史氏を白鵬になぞらえれば、2004年のパリーグ分裂危機の状況に似てなくもない。