カローラ試乗記

おぎやはぎさんの「愛車遍歴」というBSの番組を時々見ている。少し前の放送でおぎやはぎの選ぶ今年のベストカーという特集があった。ホンダのフィットの試乗では「ホンダなんだからもっと運転していて楽しくなるクルマを作って欲しいよ〜。」と文句たらたら。フィットオーナー(名義だけ)の私としては正直あまりいい気はしなかった。

 

そのふたりがトヨタのヤリスでは「楽しい!最高!」の連発。クルマを選ぶのに居住性をかなりの上位に置いている私からすればヤリスやアクアは絶対候補には入らないが少しばかり気になったコメントではあつた。

 

さて代車で借りたカローラだが、車種は違えど改めておぎやはぎのさんの言っていた意味が少し分かったような気がする。上手くは言えないが「よく走り、よく止まる」のだ。例えばもうすぐ赤になりそうな信号に引っ掛かるのを避ける為アクセルを踏む。(本当は危ないので余り勧められないが例え話で。)勿論どんなクルマでも加速する。しかしその僅かな秒数の安定感が確かに違う。

 

カローラに乗っていて何かを思い出した。そうだ。昔母親が乗っていたアウディ。結婚前だから40年近く前になるだろうか。ある日当時住んでいた滋賀県から帰るとそのクルマは鎮座していた。何でも株で思わぬ利益が出たので買ったらしい。当然私も帰省の折には何回か乗った。某ディーラーでクルマの見積もりをして貰ったとき「まさかあのクルマが下取りじゃないでしようね?」違う、違うあれは親のクルマと答えると「良かった〜。あれが下取りならうちが金を払わないといけない。」というのも良い思い出だ。

 

そのアウディ、当時の国産車と比べても喧しかった。喧しいだけではなく、怪獣の唸り声のような凄味があった。その分にはけして快適とは言えないが私のようなクルマに詳しくない者でもドライブそのものを楽しいと思わせる何かがあった。さすがアウトバーンの国、そう思った。カローラに乗ってその時の記憶が蘇った。

 

次の買い替えはまだ考えていない。トヨタのファントゥドライブは大きな魅力だが揃って居住性に難がある。2、3年の内に良いのが出る事を願う。