それは違うだろ

たまたま点けたテレビで妻がイラッとくる夫の一言を取り上げていた。

例1

妻「何食べたい?」

夫「簡単なものでいいよ。」

例2

妻「寒い。」

夫「冬だからね。」

 

例1は分かる。そんなことを言う男にはカップラーメンでも与えておけば良い。いや、カップラーメンでも勿体ないくらいだ。でも例2は分からない。一体何と応えれば良いのか。

 

 

昨年BSの新しい局が3つも放送を始め「これ以上忙しくしないでくれ!」と嬉しい悲鳴を上げたが、それぞれ今までにない番組構成で楽しませてもらっている。中でもBSよしもとが往年の新喜劇を放送してくれているのはもう2度と見られないと思っていただけに嬉しさもひとしおだ。

https://bsy.co.jp/programs/by0000015995

 

この世に生を受けて60余年、今まで見たお笑い番組で何が1番思い出に残っているかと言えば断トツで小学生時代に見た吉本新喜劇だ。当時の新喜劇はただ面白いだけではない、時には泣かせ、考えさせ、これ以上ない人生の教科書でもあった。関西在住の私達世代で吉本新喜劇の影響を受けていない者などいない。

 

先回の放送では貧しい屋台のうどん屋の息子と金持ちの娘が恋に落ちる。当然娘の親は激しく反対するが最後は2人の真剣さに負けて結婚を許すという筋書きだったが、恥ずかしながら溢れる涙を堪えられないほど感動した。

 

「愛があれば〜なんて。」本来結婚とはこうあるべきだし、それは恋愛結婚でも見合い結婚でも変わらない。昔結婚相手の男に求める条件として3高なる言葉が流行ったが、それがいつしか3低になり、今は3Yとか。3Yとは優しい、容姿が良い、(経済的に)ゆとりがあるとのこと。何のことはない、3高の高学歴が優しいに変わっただけだ。困るのはこんな言葉が流行ると、世間の女性がそれに影響されて相手へのハードルを上げるので、低スペックの男性が益々縁遠くなってしまうことだ。

 

少子化対策待ったなし」

何十年も前から分かり切っていたのに成果どころか益々状況は悪化している。それなのに恥ずかし気もなく同じことを連呼出来る政治家という人種の制震構造はやはり我々の想像を越えている。例えば私が車のセールスマンだとして「今月は☓台売ります!」と宣言だけして何十年も目標を達成出来なかったらとっくにクビになっていただろう。

 

更に絶望的なのは与野党とも少子化や非婚の原因を一にも二にもとにかく金銭の問題と捉えていることだ。だから出産祝い金だの教育無償化みたいな案しか出て来ない。断言してもいいが出産祝い金を倍にしても、大学まで授業料を無償にしても子供の数は増えない。

 

私の考えでは日本人の価値感を昔のように戻さなければ少子化も非婚も改善しないと思う。結婚相手にやたらと高いハードルを付けないこと。屋台のうどん屋でもいいではないか。子供が出来れば(家族が増えれば)金が余計にかかる、生活費を切り詰めなければならなくなる、旅行にも行けなくなる、そんなの当たり前ではないか。その分何者にも代えがたいお宝を授かるのではないか。そんな風に考えられないか。

 

「寒い。」「冬だからね。」のように

「旅行行けなくなったね。」

「子供が出来たからね。」

と言い合えるカップルが一組も多く出てくることを切に願う。