マスコミは和歌山に冷たいが、もうこれで良いのではないか

先日のネプリーグで桃の生産量上位5位を当てる問題が出た。仔細は忘れたが3つ正解し、2つ残された。問題終了後残りの県が分かるか相手チームに聞くとひとつ埋まり、5位の県だけ残された。誰からも声が上がらないまま答えが表示された。和歌山県だった。両チームで10人以上いるのに誰からも「あっ、和歌山か!」とか「和歌山なんて出て来ないよ。」などの声も出ないまま、と言うより、そんな県あったっけ、関心ありません、という雰囲気のまま次の問題に移った。

 

どうもマスコミは和歌山に冷たいのではないか。「好きの反対は嫌いではなく無関心」という言葉があるがマスコミによる和歌山の扱いは正にそれ。毎年全国魅力度ランキングで北関東3県が最下位争いをし、知事が不満を表明する、というのが風物詩になっているが1度でいいから和歌山も最下位になって注目されたいものだ。

 

私の考え過ぎだろうか。いや、そんなことはない。「秘密のケンミンSHOW」で和歌山が取り上げられた回数は恐らく最下位ではないか。レコーダーの番組検索で47都道府県全ての地域で検索した結果を足し合わせると「和歌山」は最下位、それもぶっちぎりの最下位になりそうな気がする。息子が高知県に居た頃、高知をキーワード登録していたがグルメ、観光、アウトドア、色々なジャンルの番組がヒットした。ヒット数が多いということはそれだけ全国から注目されている証拠。一方和歌山は現地で検索するからこそ当然高知より多い。でもその大半はテレビ和歌山、NHK和歌山のローカル番組。それを除くと高知県より圧倒的に少なかった。関西地区の番組でもこれだから他の地方は推して知るべし。

 

公示地価和歌山の下落率全国最下位。https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20230703/2040015138.html

 

もっと和歌山が繁栄して欲しい、昔の賑やかさを取り戻して欲しい。外国からの観光客も来て欲しい。かつて私もそう願っていた。知事や議員は立場上そう言わざるを得ない。でも、もう良いのではないか。最近私はそう考えるようになってきた。今年の冬に訪れた北海道もそうだったがあまりの観光客の多さには正直うんざりさせられた。

 

ジンギスカン料理を楽しみにしていたのに有名店はどこも閉店の何時間も前にこれ以上並んでもお召し上がり出来ませんと足切りされるし、サッポロビール園は充分な余裕を見て到着したつもりだったのに行列のあまりの長さに引き返さざるを得なかった(帰りのフライトに間に合わなくなるので)。

 

昔、東京の店に販売応援に行ったことがあるが渋滞のあまりの酷さには驚いた。6時間車に乗っていると2時間は渋滞待ち。「毎日こんなですか?」と聞くと「もう慣れちゃってますからね。」私は並ぶのが嫌いな関西人の中でも特にいらち。将来、孫がどれだけ望んでもディズニーランドとUSJは連れて行かないことは子供にも通告済みだ。

 

いや、冗談を言っている場合ではない。オーバーツーリズムという言葉があるように一部の人気観光地では住民の生活に深刻な影響が出ている。京都では住民が市バスに乗れない、小さな子供を持つお母さんがベビーカーを積んで乗れないなどの問題が起こっている。他の場所でも勝手に民家に入って来たり、道にゴミを捨てたりの被害が出ている。「旅の恥は掻き捨て」は昔からある言葉だが本来こんな行動を意味するものではない。

 

その点和歌山はどうだ。何処に行っても居るのは閑古鳥。コロナ前は和歌山城で外国人らしき観光客をごく偶に見掛けたがそれも今はない。高野山熊野古道で外国人を見掛けると聞くが元より観光客そのものが少ないのだからあくまで比率の問題。山陰地方には張り合っているつもりだが鳥取には鳥取砂丘がある。出雲大社に至っては何をか言わんや。

 

でもそれで良いではないか。訳の分からない奴らに大量に押し寄せられて日常の暮らしに影響が出たらどうする?

 

岸本知事殿。これでいいんですよ。県民も本音では繁栄なんて望んでいませんから。