交通事故3

今日、遂に首都圏、大阪、兵庫、福岡を対象に非常事態宣言が出される。強制力も罰則もないので、どこまで効果があるか不明だがニュースを見る限り大都会でも人並みはまばらだ。(当地ではいつもの光景だが。)

 

一週間ほど前から政治家が一斉にマスクをし始めた、テレビ番組では無観客の収録や出演者同士の間隔が1メートル以上に拡がった。何れも今まで見たことのない光景だ。「歴史の証言者」として子や孫に語り伝えたい。

 

 

自転車に乗れないので事故現場には駅から歩いて行った。既に学生と白バイが来ていて、何か話している。このお巡り、非常に感じの悪い奴でいきなり「なんで、すぐ連絡しなかったのか。」と尋問してきた。「急いでいたし、こんな怪我をしているとは思わなかった。」と言っても聞く耳なし。

 

言っておくがこちらは被害者だ。この時点でははっきりしたことは分からないが五分五分以上に向こうが悪いのは明らかだ。ところが「君は社会人だから教えてあげないとあかん。」と来た。まだ腹の立つことはあったが、もう触れたくない。

 

事故証明が出たので、ここからは保険会社との交渉に入った。この時知ったが、事故証明は事故の概要を記しただけの書類で肝心の保障金額とかは一切保険会社との交渉に懸かってくる。一般に評判のいい会社はこういう時、太っ腹で被害者の意向に沿うように話を聞いてくれるのだと思う。ところがこの時の保険会社は今はなきY火災、業界でも有名な”渋ちん”の会社だ。(いっぱい読んだ交通事故本に書いてあった。)

 

初対面でいきなり「今回の過失割合は7:3くらいを考えています。」ときた。この時は未だ知らなかったのだが、この”過失割合”こそが事故の交渉で一番重要なポイントで治療費も、休業補償も、慰謝料も全部この過失割合を乗じたものが支払いの根拠になる。今後万一、交通事故の交渉をすることがあれば是非気を付けて欲しい。

 

松下電器という大企業にいて得をした経験はいくつかあるが、この時もまさにそれ。私の事故の話を聞いた人事部が本社に「交通相談室」という部署があるが行ってみるかと紹介してくれた。伺うと部署と言っても室長1名のみ、大阪府警のOBらしい。

 

事故の概要を話すと、書棚から分厚いファイルを取り出してきた。過去の交通事故の判例集らしい。「君の場合ならこれが一番近いな。」と捜してくれた後、「こんなもん、君の過失はほとんどないで。まあ、9:1が妥当やけど10:0を言ってみてもええんちゃんか(笑)。」とアドバイスしてくれた。

 

呆れたのはY火災だ。「実は当社にこんな部署があり、先日相談に行ったところ、こんな話だった。」ということを伝えただけで、うろたえるのが眼に見えた。「いや~。先日言った7:3はあくまで例として申し上げただけで・・・。」と来た。

 

結局、9:1に収まった。交通相談室のような専門部署がある大企業に勤めていなかったら、海千山千の保険会社に言い含められていたに違いない。

 

追って番外編を書きます。