頭が固い

前述、日清食品の社長はカップヌードルどん兵衛を形取った面白い名刺を持っていた。取締役会で提案した時、2、3人の役員からふざけ過ぎと反対の声が上がったが今は彼らの方が気に入って使っているらしい。

 

前に書いたかも知れないが松下電器でも社内誌で優勝報告に来たバレーボール部員に囲まれた谷井社長(当時)のグラビアに「谷井社長が小さく見えま~す」との見出しを載せた処、何人かのお偉方から社長に失礼だとの抗議の声が寄せられた。彼らの意向はその後変わったのだろうか。

 

 

「吉村秀雄商店」と聞いても知らない人が殆どだろう。和歌山県岩出市の酒造メーカーで代表製品の清酒日本城は何年か前、月刊誌、特選街で最高グランプリに選ばれたこともある。とここまで書いても分からない方が大半と思うが、東京オリンピックスケートボードで金メダルに輝いた四十住さくら選手に練習場所を提供していた会社、と言えば多くの人に「あー。あの会社ね。」と分かってもらえるのではないだろうか。

 

そこで思ったのだが、折角のこの機会、四十住選手に会社のCMに出てもらうと言うのはどうだろう。さすがにスポーツ選手、というか未成年なのでお酒を飲んでもらう訳にはいかないが、競技、練習している映像に「吉村秀雄商店は四十住さくら選手を応援しています」のテロップなら何の問題も無い筈だ。

 

そうだ、確か友人の子供がこの会社に勤めていると聞いた。今度会う機会があるので間接的に提案してみるか。

 

あれから数週間、残念ながら電波、紙あらゆるメディアで四十住選手を起用した宣伝を見ることは出来ていない。まさかとは思うが日清食品パナソニックのように頭の固いお偉方から反対の声があがったのだろうか。(勿論全紙を読んでいる訳ではないので断定できない。もし既に企画が進んでいるのならこの場を借りてお詫びする。)

 

自社の関係者がオリンピックのしかも金メダルを獲得するなんて、滅多にというか二度と無い絶好のチャンスと思うのですがねえ。

 

この一例をもってだから和歌山は、とは言いたくない。しかし、この頭の固さ、チャンスをみすみす逃してしまう融通の利かなさは間違いなく今の県の衰退度合いに繋がっている。和歌山の会社なんて所詮吹けば飛ぶよな小企業、失うものなんか何もないというチャレンジ精神がなくてどうする。

 

こうなったら四十住選手にはオリンピックを連覇してもらおう。その時には四十住選手に吉村秀雄商店の広告にご登場いただけることを願って。