カップヌードル

松下電器で最初に配属された職場は録音機事業部だった。今聞くと何とも古めかしい名称だが言うまでもなく、テープレコーダーやカセットデッキを中心に作っていた。

 

入社最初の4年で4回転勤したので録音機事業部に居た期間はごく短かったが、その短い居た間に画期的な商品が発売された。

 

その名も「ナショナルウェイ(Way)」。CMにはサザンオールスターズを起用したと記憶する。

と、ここまで書いて自信が持てなくなったので調べてみると。

http://blog.livedoor.jp/cangee/archives/29351332.html

間違いないようだ。見てどう思われただろうか「何だ、ウオークマンじゃないか」?

 

そう、正にウオークマン。但しウオークマンはあくまでソニーの商品名。エレクトーンやジープ、ホチキスなどもそうだがその分野で圧倒的な地位を占めると一企業の商品名が代名詞代りに使われることが珍しくない。ウオークマンもそのひとつ。正式な商品名はヘッドホンステレオという。

 

「ナショナルのウオークマン」。そう呼ばれることを当時の私達はどれだけ悔しい思いで聞いていたことか。

 

カップヌードルが9月18日で発売50年を迎えたらしい。チキンラーメンは私の生まれる前年の発売だから覚えている筈もないがカップヌードル発売当時のことはよく覚えている。最初に店頭で見た時の感想は「こんな高いもの、どんなお金持ちが買うのだろう?」普通の袋麺が20〜30円で買えた時代、カップヌードルは今とほぼ同じ、100円くらいしたのではあるまいか。とにかく簡単に買って欲しいとおねだり出来るシロモノではなかった。

 

私はスーパーに行くのが大好きで週2、3回は訪れるが今は袋麺もカップ麺もあまり値段差は無くなっている。それでも滅多にカップ麺は買わない。第一ひとつでは量が少ない。袋麺にたっぷりの野菜を入れて煮込んだものなら身体にも良いし、量も足りる。

 

私の食べ方などどうでも良い。ここでひとつ疑問が生じた。ウオークマン始め、一社の商品名がその分野の代名詞になることは既に書いた。ではカップヌードルは?東洋水産カップヌードルとか明星食品カップヌードルとかはあまり、と言うより全く聞かないし、言わない。

 

この差は一体何だろう。考察に値する課題であると思う。