トミーズ健、という生き方

「何々世代」という言い方がある。つい半年程前まで大谷翔平選手は自らを羽生結弦世代と呼んでいた。メジャーで多少活躍した位ではまだまだオリンピック連覇のチャンピオンには及ばないという謙遜の心から出た言葉だろう。今から何十年か経った後世の人達は彼らの事を何世代と呼ぶのだろう。

 

では私達1959年生まれは何世代と呼べば良いのだろう。大谷選手や羽生選手のようなスポーツ界の大スターは残念ながら居なさそうだ。山口百恵さんは正真正銘の大スターだが残念ながら彼女は学年がひとつ上だ。同学年なら「天皇陛下世代」と言えなくもないが、これは余りに畏れ多いし、陛下は1960年のお生まれだ。

 

では正真正銘、同い年、同じ学年の有名人は誰がいるのが。私の頭にぱっと浮かんだのが漫才コンビ、トミーズのおふたりだ。

 

このふたり、同い年のコンビなのに雅さんは周囲から一目置かれる存在なのに対して、健さんは後輩からも馬鹿にされている。勿論そういう立場を演じているのだろうが、街角でも時に中高年のおっちゃんから「こら健、もっとしっかりせんかい!」などと声を掛けられることもあるらしい。芸能人だから「うるさい。黙れ。」とは勿論言えない。

 

そんな時、健さんはいつも心の中でこう呟くそうだ。

「何とでも言え。俺はお前らの何倍も稼いでいるんや。」

実際、健さんはもう何年も前に高級住宅地に豪邸を建てて住んでいるとのこと。同い年のサラリーマンでは到底考えられないことだ。

 

我が家のリビングルームに「親父の小言」という額に入ったポスターを掲示しているがその中の一文にこんなのがある。

「人には馬鹿にされていろ。」

 

健さんは偉いと思う。「親父の小言」についてはまた回を改めて。