遂に我が家からもコロナ感染者が出た。と言っても離れて暮らす息子なので我々は濃厚接触者には当たらないが。
平日は17時を回るまでメールやLINEの受発信すらしない(出来ない)息子から昼過ぎに電話が掛かってきた。暗い声で
「お父さん、ヤバい。」
この言葉を聞いた瞬間これでもかというほど色々な不吉なことが頭を駆け巡った。
通勤途上で事故を起こしたに違いない。今まで警察で事情聴取されてたのだろう。人に怪我はさせてないだろうか。自動車の保険を通勤目的にしていないが問題ないだろうか?
高熱で苦しんでいる息子には悪いがつくづくコロナで良かった。23日まで自宅から出ることが出来ないらしいが4月から新社会人として頑張ってきた自分へのご褒美と思って休息してほしい。
私が社会人になった頃複数の人から聞いた話話。ある会社では新入社員の採用試験の際、待合室にわざとゴミを放置しておき、誰がゴミを拾うかチェックするという。何か嫌だなと思う方もいると思うが自然にそういうことが出来ることは人間として大切なことだ。
ジャニー喜多川さんが亡くなった時こんなコラムが新聞に載った。
事務所に入りたい若者で一杯の待合室会場にジャニーさん自らがばれないように変装したうえで缶ジュースを配る。その際、礼を言わない者、座ったまま受け取る者、目を合わせない者はどれだけルックスが良く、歌や踊りが上手でも絶対に合格にはしなかったという。
こんな話を長々と書いたのは今日よく行くスーパーで実に感動的なシーンを目撃したからだ。
そのスーパーの入口にはジュースやお菓子が山積みになっているのだが支払いを済ませて出ようとした際、お菓子の山が7、8個崩れて床に散乱していた。誰かが買い物かごかカートを当てたのだろう。あの崩れ方からして気付かなかった筈はないと思うがほったらかしにしたと思われる。
一瞬直そうと思ったが何となく照れくさいのとトイレに行きたかったので用を済ませてからにしようと戻って来たらまだ菓子は散乱したままだった。やっぱり誰もしないのだな、いよいよ私の出番か、と近付いていくと向こうから家族連れで来店したばかりの女の子が走ってきてあっと言う間に菓子箱を元通り積み直した。齢の頃10歳くらいの女の子。
親が指図したのか自らの意思で走って来たのかは分からない。でも少なくとも10分近くそこを通る客誰ひとり直そうとしなかったことをあの子はやった。エライ!
心に涼風が吹き抜けるような思いをした一日の始まりであった。