イルカ漁

今日昼過ぎ和歌山県庁の前を通ると「太地町のイルカ漁に反対」の大きな幕を掲げてビラ配りをしている団体がいた。

 

何年か前の私なら街頭での論戦も厭わない位、こんな団体が嫌いだった。同様に中国や韓国も嫌いだった。とにかく日本のことを悪し様に言う奴が許せなかった。

 

しかし、今は違う。自身の考えが変わったのではなく、真実が何か分からないからだ。本当に日本は戦後何も悪いことをしていないのか、アメリカに追随するばかりが正しいのか本当に分からない。その頼みのアメリカとていざとなったら中国と手を組むかも知れないのだ。

 

それと、もうひとつは自身の年齢のせいもある。黒澤明監督の名作「生きる」で自身の余命が幾ばくもないことを知った主人公(志村喬さん)のこんなセリフがある。「あんな事を言われて腹が立たないのですか。」(部下) 「いや、自分には人に腹を立てている時間はもうない。」悲しいが、それに近い感覚も分かる歳に知らない間になっている。

 

しかし、イルカ漁に付いては少なくともこの事は言えるだろう。太地町の漁民の方々に抗議するのは間違っている。彼らは日本の法律で認められているから自身の仕事としての漁を行っているだけであって、もし辞めさせたいのなら政治家に訴えて法律を変えなければならない。

 

今の緊急事態下の飲食店同様、辞めさせたいのなら補償することを決めてからではないと彼らとて辞めるに辞めれない。そのことは確実に言える。

 

もう16時をまわった。まだあの団体はいるだろうか。このことを伝えに行こうか。さっきは自転車の荷物が満載で止まる余裕がなかった。