マツゲン本店閉店

自宅は50年ほど前に親が建てた家だ。立地の良さと広さは申し分ないが、今となっては思慮の古さが目立つ。エアコン用の壁穴がひとつもなかった。当時は扇風機だけで充分夏を乗り切れたのだろう。駐車場も1台しかない。3〜4台分位のスペースはあるが。もっとも当時は車のある家そのものが珍しかった。

 

車が無くても困らなかったもうひとつの理由は当時は多くの店が近隣にあり日常生活、何事にも便利な場所だったことも大きい。

 

 

松源本店4/18で閉店。

http://www.matugen.co.jp/news/2021/04-03_honten_closed.html

 

和歌山発祥で県内以外にも大阪、奈良にも広く展開するスーパーの第一号店が姿を消す。調べると開店が1961年。物心ついた頃からあった店舗がまたひとつ消えるのは寂しい。

 

老舗の百貨店が閉店する時のニュースで満員の客が押し掛け「寂しい、続けて欲しい」などと言うのを見て、寂しけりゃもっと店を利用してやれば良かったではないかと悪態をついていたものだが、かく言う私も松源の熱心な利用者ではなかった。

 

松源は徒歩10分位の場所でそれだけ取れば充分便利な場所なのだが、昔は徒歩5分圏内に黒門市場があり、松源以上に新鮮な魚、野菜が安価で手に入った。食料品店だけではない、家から20〜30メートル内にタバコ屋があった、お茶の専門店があった。和菓子屋があった。乾物も扱う菓子屋があった。もっともここで買う食料品、賞味期限切れのものも少なくなかったがそんなこと、誰も気にしていなかった。

 

近隣が一番賑わったのは90年代後半頃か。イズミヤを始めモスバーガー、おはぎの丹波屋、小僧寿し等々全国にチェーン店を展開する大手の店が軒を連ねて徒歩5分圏内に出店した。

 

今挙げたそれらの店、全て今は無い。マンションや一般住宅に変わっているのはまだいい方。中には当時の閉店時の空きビルのままの建物も少なくない。

 

松源本店は日赤医療センターの正面。父親の入院中もよく利用した。閉店後は何になるのか知らないが、困る人も多いのではないか。

 

幸いなことに松源そのものの倒産ではないが、閉店日には訪れようと思う。