コンプレックス

前の章の冒頭でコンプレックスについて触れた。では、お前のコンプレックスは何か?と聞かれても余程無自覚なのかこれと言って思い付かない。不得意なことは勿論ある。絵は下手。字も下手。スポーツはするのも見るのも大嫌い。

 

正直に告白する。主要5強化以外(音楽、体育、美術、技術)で小中高通じて3以上取ったことは一度もない。中でも体育は全部2、音楽も大半が2だった。けして手を抜いていた訳ではないが。

 

字に関してはこんなこともあった。5年程前、小学校の同窓会の幹事の末席に名を連ねた時のこと。50年振りに彼等の前で字を書くと、ある女生徒がこう言った「そう言えば○君(私)って字、下手やったなあ。」他の事で女子の印象に残ることのなかった私だが、その抜きん出た字の下手さで見事彼女らの記憶に刻印出来ていた。こうなったら字の下手さをコンプレックスと呼ぶのは失礼だ。